パチンコの聖地への思い入れ
続けてコロナ禍の準備やお店作りについて、営業課副部長の島田氏にお話を伺った。島田氏が目指す新たなホールの在り方は、地域に根ざしながらも全国に目を向けたものだ。
――コロナ禍でのグランドオープン準備となったと思いますが、オープン予定日の延期などはありませんでしたか?
島田氏 延期はありませんでした。延期の可能性としては「台風が来なければ間に合います」と言われていて、台風が一度もこなかったんで間に合いましたね。工事にコロナの影響はなかったです。
—―新型コロナの状況がどうなるかわからないなかでの準備だったと思いますが、オープンが近付くにつれて、どういった心境になっていきましたか?
島田氏 日々、ワクワクが増えていきました。まだ姿形もないときは、どうなるかわからない不安やプレッシャーが大きかったですけど……。でもここに来る回数が増えて、人の多さをみて、楽しみな気持ちしかなくなりました。
—―それとパチンコの聖地である名古屋駅にオープンするということは、やはり特別な想いがあるんでしょうか?
島田氏 パチンコの聖地というのも、もちろん強い想いがあります。それだけでなく、東海の入り口で人口が多い地域というのも、楽しみの1つです。愛知県ではパチンコだと栄が盛り上がっているイメージがあると思うんですけど、やはりパチンコ以外は名古屋駅の方が盛り上がっています。だから名古屋駅柳橋店がオープンすることで、パチンコにおいても名古屋駅が盛り上がってほしいです。
—―最後に、この名古屋駅柳橋店をどういったお店にしたいですか?
島田氏 全国の人から「行きたい!」と思ってもらえる店にしたいです。例えば嵐のコンサートを観たい人は、全国のどこからでもさいたまスーパーアリーナへ行くじゃないですか。それと同じで、”交通費を払ってでも行きたいお店”にしたいと思っています。普通は新幹線代を出してまでパチンコ店に行くなんて、あり得ませんよね?
でもこれはガチでやってて、以前はP-WORLDに「北海道のからの行き方」というのを載せてた店もあるんです。その効果は出ていて、数年前に東京在住の人からツイッターで「明日の稼働は愛知のキング観光に行くか、新宿のパチンコ店に行くか悩んでます」というリプライがきました。名古屋駅は特に遠方から来やすい駅なので、近隣の方だけでなく、遠方からのお客さんにもたくさん来てもらいたいと思っています。
とにかくこのお店は、パチンコファンのなかでは”名古屋の名所”となってほしいです。例えばSNSの繋がりでパチンコオフ会をやりたいとなったとき、名古屋が中心地となって集まりやすいので、そういった時にでも立ち寄ってもらえたらと思っています!
まるでファッションビルのような内装。これだけを見てもホールの在り方が大きく変わって来ていることがよくわかる 撮影/セールス森田
新型コロナの蔓延がなかったら韓国からもお客さんを呼ぶつもりだったと語った島田氏。近所のパチンコ店で打つ人が多いなか、その概念を覆すほどに視野を広げ、令和時代に産声をあげたパチンコ店を作り上げている。新型コロナの打撃を受けても大型店が増加している理由は、資金力だけでなく、大手ホールにこういったポジティブな思考と攻めの姿勢があるからこそなのかもしれない。
今後ますます弱肉強食が顕著になるであろうパチンコホール業界。昔ながらの小さいホールの魅力も捨てがたいが、大型ホール運営者の思考と攻めの姿勢は、パチンコ業界の衰退を1ミリも感じさせない魅力的なものがあった。パチンコファンには、新型コロナが落ち着いたタイミングで、ぜひ旅打ちをしに行ってみてほしい。
文/セールス森田
Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント