お金

誰も教えてくれない「お金」の使い方。浪費は必ずしも悪いことではない

一授業45分でできるのは「考える土台」を築くこと

 ほかに、アニメや身近な商品を題材に話をすることもあります。 「映画版『鬼滅の刃』の興行収入が話題になったけど、興行収入ってどうやって計算されると思う?」 「水のペットボトルの値段は、自販機で買えば100円、ユニバーサルスタジオジャパンで買えば150円、近所の安いスーパーで買えば80円、この差はどうして生まれると思う?」  など、お金の流れや物の価値がどうやって決まるのかを考えます。さすがにインフレまで説明するのは難しいですが、時期や場所によって値上がりするように、物の「価値」が変わることを伝えます。  ただ、毎回思うのは、「もっと時間が欲しい」ということです。正直、45分のひとコマではまったく足りません。授業の冒頭に、僕が教室で「お金は好き?」と聞くと、小学生なら「好き!」と大きな声で答えてくれます。しかし、高校生になると「なんでお金の話をしているんだ?」と懐疑的な眼差しを向ける生徒もいますし、興味がなさそうなコもいます(笑)。  そういったコたちがお金の話を聞いて、どれだけ将来に活かしてくれるのか……毎回、自問自答です。ただ結局、45分の授業でできるのは、「考える土台」を築くことだけだと思うんです。僕の話から考えたことを、今度は家で親とも話して、少しずつ身についていく。だから、たとえ学校でお金の授業が義務教育になっても、それで終わりではありません。家で親が「お金の話なんてするもんじゃない」などと話したら、元も子もない。学校教育と同じくらい、家庭での会話も大切なんです。  次回は家庭でのお金の教育についてお話しします。ではまた!  まとめ 1. お金は、使う人次第でよくも悪くもなる「道具」 2. でも「取扱説明書」がない。自分で使い方を探すしかない 3. 「消費・浪費・投資」3つの使い方は全部重要
’83年生まれ。’17年に独立。YouTube「大河内薫のマネリテ学園」ほかメディア運営多数。8.2万部突破の最新作『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』が発売中
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