お金

「人生の裏技」を探す子供たち…ネットにはびこる“稼げる情報”の罪

「楽して儲けたい」と真剣に願う小学生

お金の義務教育

大河内薫氏

ひろゆき:仮想通貨で“億り人”が現れたあたりから、お金は地道に稼ぐものではなく、情報を持っていれば稼げるし儲かると考える人が増えた気はしますよね。ちょっとネットを見たら「秒で億を稼ぐ」という文字をそこらじゅうで目にするくらいですから。 大河内:そういう言葉を使わないとコンテンツが売れないんでしょうね。親がそういうコンテンツを見ていたら、同じタブレット画面を使っている子供とかは、広告が自動表示されて見るわけで。 ひろゆき:「お金は使わなければ貯まる」ではなく、「お金を使うほうが増える」と言うインフルエンサーもいますからね。だから「本や教材を買って」「オンラインサロンに入って」とか誘ったり。実際に買わなくても、「こういう教材があるなら成功している人がいる」と思い込むじゃないですか。「だったら賢い人に聞いたら裏技を教えてくれるのかも?」みたいな。そういうネット環境から「一発逆転思考」が生まれるのかなと。

お金のミスを食い止めたい

大河内:僕もユーチューブをしているので、子供への影響力は感じます。オンライン授業をすると、僕の画面に「銀の盾」が映っているだけで拍手が起こりますから。 ひろゆき:知らないけどスゴい人が来た、みたいな(笑)。 大河内:お金持ちと結びつけているかはわかりませんが、フォロワーが多いという事実がものすごく価値があることになっている。 ひろゆき:子供たちからしたら「和田アキ子さんです」って言われても「何の人?」ってわからないけど「フォロワー数100万です」と「オオ!」って凄さが伝わりやすいっていう。 大河内:ただ、僕は子供たちに大金持ちになってほしいわけじゃなく、多くの大人がお金でミスることを食い止めたいんです。SNSの「リツイートしたら抽選で100万円もらえる」という話を本気で信じさせないようにしたい。 ひろゆき:お金配りって、実際は違法行為に近いグレーゾーンですよね。法律をすり抜けてやっているから許されているけど、実際にはグレーゾーン金利で金貸ししていた金融業者と何が違うの?って。そういう違法じゃないけどダメなものはダメと、子供には伝えたほうがいいですよね。
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代々のお金持ちは嫌われず、成金が嫌われるのはなぜ?
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’83年生まれ。’17年に独立。YouTube「大河内薫のマネリテ学園」ほかメディア運営多数。8.2万部突破の最新作『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』が発売中

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