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「確定申告しない」ギャラ飲み女子が戦々恐々。税理士への相談件数は「去年の10倍に」

 いま、「ギャラ飲み」や「パパ活」をしている女性にとって、背筋が凍るようなニュースがSNS上で話題だ。  それは東京国税局が、マッチングアプリを利用して知り合った相手と飲食を共にして金銭を得るギャラ飲みで約4000万円を稼いでいたにもかかわらず、“所得税”の申告をしていなかった女性に対して加算税を含めた約1100万円を追徴課税した、というもの。
繁華街の女性

※写真はイメージです。以下同(Photo by Adobe Stock)

 近年は気軽な“おこづかい”稼ぎの感覚で行っている女性が多く見受けられるが、それは立派な“所得”であると東京国税局が動いたのだ。  そんななかで、今回は実際に「確定申告しない」というギャラ飲み女子たちの実情を紹介しながら、港区の税理士法人Bridge・代表税理士の黒田悠介氏に見解をうかがった。黒田氏によれば、彼女たちからの相談件数は去年に比べて10倍にも増えているというが……。

「絶対にバレない」と高を括っている

グラスを手に談笑する女性2人 東京都内在住の紗希さん(24歳・仮名)は、美容部員として正社員で働きながら、夜に時間が空いたときはギャラ飲みに参加している。今回の件で驚きはしたが「不安はない」という。 「私はすべて知人の紹介、同じ相手とのリピートです。ギャラは飲み会が終わったら現金でもらって、口座には入れずタンス預金します。月に5万円〜10万円程度かな。年間で“贈与税”にも引っかからないぐらいしか稼いでいないので」  贈与は、年間110万円以下ならば非課税で申告の必要はない。ギャラ飲みが所得に当たるとしても現金のタンス預金ならば「絶対にバレない」と考えているのだ。  今後もギャラ飲みをやめるつもりはなく、勤務先からも足がつかないように徹底している。 「アプリは絶対に使いませんね。アプリのギャラ飲みだと“振り込み”なので会社の経理にバレる可能性がある。副業をしている同僚がすぐ会社にバレていたので。私はその日に現金払いのギャラ飲みしかやるつもりはありません。まわりのギャラ飲み友達で会社に勤めている子はだいたいそうですね」

戦々恐々のギャラ飲み・パパ活女子も…

 その一方、「不安で不安で仕方がない」と打ち明けるのは結衣さん(32歳・仮名)。彼女は週2〜3回は派遣社員として働いているが、メインの収入はギャラ飲みで知り合った老人からの毎月の振り込みだと話す。 「2年ほど前にギャラ飲みで知り合ったおじいちゃんが、すごい私を気に入ってくれていて。以前、お茶をする約束が面倒くさくなって『風邪引いちゃった』って嘘をついたら、10万円を振り込んでくれたんです。これもパパ活になるのかな……」  味をしめてしまった結衣さんは以後、病弱なキャラクターを演じている。今ではほぼ会っていないというが、毎月30万円が振り込まれているそうだ。 「難病がある、肌や胃腸が弱いから病院に通う、ストレスで太ったからエステに行かなきゃならない……ありとあらゆる嘘をつき続けています。相手は会わなくても毎日のLINEや電話が癒やしとかで、だんだん『会いたい』とも言われなくなりました(笑)」  派遣の給料は月15万円だが、家賃10万円は同棲中の彼氏と折半。老人から振り込まれるお金を結婚資金として貯金している。 「たまにブランドものを買うくらいで、あとは基本貯金。いま600万円をこえました。彼氏も『会わないでカネもらえるなんて最高じゃん!』って肯定的でした。でも……」
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「ヤバいかもしれない」「捕まらないといいね」
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