笑い飯・哲夫が低料金の学習塾を始めたワケ「未来のために子どもに投資を」
芸人として活躍しながら、小・中学生向けの学習塾を経営する笑い飯の哲夫。本連載では、そんな彼が、子どもの教育に悩む親たちの相談に答えていく。第1回ではまず、彼の経営する塾「寺子屋 こやや」の方針と、彼の考える教育理念について話を聞いた。
「寺子屋こやや」は、メインはあくまで学校の授業という考え方から、生徒が学校の授業でわからない箇所を聞く補習塾的な位置づけだ。そんな学習塾を低料金で始めようと思ったのは何故なのか。
「僕がちっちゃいころは、近所に月3000円くらいで勉強を教えてくれるおばあちゃんがおって、それがなんだかよかったんですよ。ところが、いま吉本の社員さんに聞いたら、『最近の進学塾は月に6万~7万円はかかる』と。
少子化で値段が上がるのはしょうがない部分もあるでしょうけど、金持ちだけが賢くなれるのも変な話やし、もうちょっと安く教えてくれるところがあったらええのになと。週3回で月謝は5000円から1万5000円程度です。大阪市は塾代助成が月に1万円出る(一定の所得制限あり)ので、家計の負担は5000円に収まるようにと考えています」
厚生労働省が’19年に発表した「国民生活基礎調査」では、17歳以下の子どもの相対的貧困率は13.5%だ。家庭環境が理由で塾に通えない子どもが少なくない現在、安価な補習塾の存在は貴重な存在だ。
「僕は、子どもたちには全体的に勉強して賢くなってほしくて、塾のオーナーはその投資だと思ってるんです。いま地球は温暖化や食料難などの問題を抱えているやないですか。地球を治す未来人が現れてくれんと困りますから」
中学生のころにトークバラエティ番組『巨泉のこんなモノいらない!?』で地球温暖化が取り上げられたのを観て以来、環境問題は彼の大きな関心事だ。確かに気候変動は、世界中にあらゆる影響をもたらしている。とはいえ、そこから未来のために教育面で子どもに投資をしようという発想になる人は珍しい。
「もともとカネを貸すのが好きなんです(笑)。おもろい後輩にカネを貸すとか……生きたカネを回すというんですかね。なかには返さないヤツもいますけど(笑)。人材育成のため子どもたちに投資するのも同じ。ほんまの投資ってそういうことやと思います」
学習塾を低料金で始めようと思ったワケ
未来の人材のために子どもに投資する
’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数
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