更新日:2024年01月18日 16:01
エンタメ

笑い飯・哲夫が低料金の学習塾を始めたワケ「未来のために子どもに投資を」

最初から「進学は無理」とあきらめないで済むように

子どもへの投資が重要なのは確かだが、子どもを大学まで進学させる余裕がない家庭があるという現実も否めない。
寺子屋こやや

公立中学生の通塾率は70%超。大学進学(54.4%)をふまえると進学を目指す高校生の通塾率も70%程度に上る

「学歴は、就職などの場面ではわかりやすくその人の力を示すものであることは確かなので、僕は学歴社会を批判したいとは思いません。でも、みなそれぞれ特技を持っていると思うので、大学に行くことがかなわない子でも、その特技を上手に引き出してあげる教育の仕組みがあればいいですよね。 あとは、給付型奨学金の存在や返済猶予・減額などの仕組みについても、親や学校だけでなくウチみたいな塾でも気軽に相談できるようにして、最初から『進学は無理』とあきらめないで済むようにしたいと思っています」

哲夫自身が「学ぶ楽しさを知ることができた」きっかけ

哲夫自身は、両親は高卒で共働き。大好きなサッカーの強豪校だったので、がむしゃらに勉強して地元の進学校に進んだものの、大卒のサラリーマン家庭がほとんどの同級生のなかでは異質だった。 「こうした環境のなかで大学に進学できたのは、やはりもともとは近所のおばあちゃんが安く勉強を教えてくれて、学ぶ楽しさを知ることができたから。もちろん、親は親で子どもを育てるためにめちゃくちゃ働いてくれていたので感謝しています」 自力で環境を克服した人は、「努力すればみんなできる」「努力が足りない」といった自己責任論に陥りがち。しかし哲夫は真逆の立場をとる。 「若いころは、自分の進学についても『自力でやりとげた!』という自負がありましたが、ようよう考えてみたら周りに支えてもらってできたことなんですよね。若いころはそこに気がつかなかったので、今度は支える側に回れたらと思うんです」
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勉強する場を苦痛な場にはしたくない
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’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数

がんばらない教育

格安補習塾を経営する哲夫による画期的な子育て論


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