暴走族がバイクを“改造”していた意外な理由。「鬼ハン」「三段シート」
こんにちは。伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』3代目編集長をやっていた倉科典仁と申します。ティーンズロードは1989年に創刊され、90年代には社会現象に。現在は休刊となっておりますが、そんな本誌に10年以上携わっていました。
暴走行為(共同危険行為等)は決して許されるものではありませんが、時を経て、編集者として今振り返る「暴走族」の姿とは……。
私は現在、雑誌『実話ナックルズ』(大洋図書)のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」をプロデュースしています。そこに、かつて暴走族「横浜連合鶴見死天王」というチームで名を馳せ、今では青少年不良文化評論家で、“ヤンキー界の重鎮”と言われている岩橋健一郎氏をゲストに招いたことがあります。
前回は岩橋氏に聞いた暴走族が「爆音を立てて走る」意味をお伝えしました。さらに岩橋氏からは「暴走族はなぜ単車を改造するのか?」についても興味深いお話を伺いました。今回は、とくにポピュラーな改造「絞りハンドル」「三段シート」の意味をご紹介したいと思います。
【前回記事】⇒暴走族の迷惑行為「うるさい爆音」を鳴らして走る意外な理由
昭和の暴走族の改造の中でも有名なのが「絞りハンドル」と呼ばれるもの。
ノーマルのハンドルを鉄パイプなどを使って可能な限り内側に絞る改造です。中でも「鬼ハン」と呼ばれる改造方法は、コンチハンドルという短めのハンドルを内側に絞り、なおかつ上に曲げたものです。一見、かなり運転がしにくそうなハンドルの形なのですが、これにも暴走族にとって大切な意味があるというのです。
「そもそも改造車で走っていれば当然、違法改造なのでパトカーに追われることが頻繁にあります。彼らはパトカーから逃げるために、あえて渋滞の中に入り、車の横をすり抜けていく。その際、車体の幅でいちばん横に出っ張っているハンドルを絞ることで、ぶつからないようにしていたわけです」(岩橋氏、以下同)
絞りハンドルは、そんな逃走時の利便性はもちろん、「鬼ハン」と呼ばれるゆえんでもある、“鬼の顔”のような見た目のカッコ良さから、70年代後半から80年代にかけて暴走族の間で人気になりました。当時は、ほとんどの暴走族がハンドルを絞って乗っていたということです。
暴走族はなぜ単車を改造するのか?
①絞りハンドル(ハンドルの角度を内側に絞る改造)
1
2
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
記事一覧へ
記事一覧へ
この特集の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
「信号無視して横切った」バイクに激怒した友人の“とんでもない行動”。「普通の人間はあんなことしない」
2025年、原付き免許で125㏄も運転OKに。ややこしい新ルールで勘違いに要注意!
暴走族がバイクを“改造”していた意外な理由。「鬼ハン」「三段シート」
プロが教える夏までに買うべき日用品。「椅子にお金をかけろ」は本当だった
“マッチングアプリでモテそう”。中型バイクの免許取得を目指した40歳独身男
この記者は、他にもこんな記事を書いています