内定辞退せず2社に就職?売り手市場の「トンデモ新入社員」母親がまさかの一言
―[すぐに辞めた新入社員]―
多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、業務内容や職場環境など、人により理由はさまざまだが、せっかく就職したにもかかわらず、すぐに退職してしまう人もいる。
複数の企業から内定をもらったら1社を選び、ほかは辞退する。これが常識なのだが、内定辞退をすることなく、4月を迎えた男性がいる。大きなトラブルを引き起こしているのだが、淡々と出社している。
今回は実際に起きた事例をもとに、内定とその辞退について考えたい。本記事の前半で具体的な事例を、後半で人事の専門家の解決策を掲載する。事例は筆者が取材し、特定できないように加工したものであることをあらかじめ断っておきたい。
事例:2社から内定承諾したまま就職
形式上2社に入社できる?
大手士業系コンサルティングファーム・名南経営コンサルティング代表取締役副社長で、社会保険労務士法人名南経営の代表社員である大津章敬さんに取材を試みた。大津さんが、まず今回の最も根幹となる問題を指摘する。
「大企業をはじめ、多くの企業は通常はまず内々定を出して、その後、多くの場合、10月1日に内定を出します。この内定の時点で労働契約が成立。今回の事例のそもそもの問題点は、ここにあります。10月1日までに学生はほかの企業からの内定があるならば、それを断り、翌年の4月1日に入社をするということで契約を結びます。
だからこそ、内定承諾書に『4月1日には必ず入社する』といった意味合いの文言があり、それにサインをします。言い換えると入社するか否か、わからないのに労働契約を結ぶというのはそもそもおかしい。そのような状況であれば、その会社と相談を行った上で対応を決めることが通常です。
ところが、今回のケースでは2023年4月以降も男性は内定を辞退していないから、中堅メーカーとA社の計2社に形式上、入社していることになります。二重の契約が成立しているのです。昨年10月に労働契約が成立し、今年4月1日に効力が発生していて、本来、こんなことはあってはならない。A社には速やかに内定辞退をすべきでした」
ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数
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