仕事

タクシードライバーの人生を変えた「酔っ払い客の“失礼な一言”」副業から本業に、事業を軌道に乗せるまで

レビューを読み込んで既存の商品と差別化

並んだ水筒 次に目をつけたのはカメラの転売でした。ただ、利益率は5~8%程度で伸び悩んでいました。そこで、さらに利益率の良いビジネスを探していたところ、私のYouTube(物販NAVI)を見つけたそうです。 「僕はビジネスにおいて、実際に会える人からだけ教えを乞うと決めていました。船田さんは実際に会ってみて、前向きなマインドやフィーリングが自分に合うと感じましたね。あとは、裏表がなく、ネットビジネス界隈にありがちな怪しさや“儲けてやろう感”がなかったことも大きいです(笑)」  Cさんは今から3年前の春から私のコンサルを受けるようになりました。まず行ったのがキーワードの検索ボリュームを調べ、差別化できる商材を探すこと。Cさんが目を付けたのは「水筒カバー」でした。年間を通して売れている市場であることを確認したCさんは、さっそく水筒カバーのOEM事業を開始します。 「とにかく中国のライバルセラーとの差別化を意識しました。見た目から違うものを作ろうと思い、ライバルセラーと比べて、飲み口が水筒のカバーに重ならない商品にすることで清潔感を訴求しようと思いました。さらに、生地を薄いものにし、カバンの中に入れてもかさばらないようにしました。また、中国のライバルセラーの商品は不良品が多かったため、ストラップのナスカン部分を割れにくい金具に変えて、丈夫なことをアピールしました」  CさんはWeb関連の仕事とタッチペン事業の経験から「どう差別化すれば売れるのか」をよくわかっていました。たとえば、ライバルセラーの商品レビューをすべて読み込んで商品に生かしつつ、雇っていたパート女性のお子さんにも協力してもらい、実際に使った感想を聞きました。  何度もフィードバックを受けて改良を重ねた結果、水筒カバーは初月の2020年の8月から好調な売上を叩き出します。2か月目には小学校が始まる9月だったこともあり、売上60万を達成。  その後も順調に推移し、カラーバリエーションを増やした2021年4月には売上350万、利益160万となりました。

AIを活用して売上が倍増、ブランド売却で合計2000万円以上…

 その後CさんはカバンのOEM事業にも着手したのですが、さらにビジネスを効率的に加速させたのがAI広告ツールの存在でした。 「一般的に広告を打つ場合、キーワード登録を手動で行い、完全一致と部分一致など『どういうキーワードが打ち込まれた場合に広告表示するか』を設定する必要があります。手動で1商品ごとに1つずつ登録するキーワードを2週間ごとに精査し、キーワードを除外しなければならず、かなり手間がかかります。  AIの広告ツールを導入すると、これらの作業を全部自動でやってくれますが、AIが学習する期間がどうしても必要となり、その間は赤字になってしまいます。水筒カバーの場合、学習期間は3日ほど、カバンは1か月程度。その後はどんどん広告効果があがっていきましたので、3~4か月分の利益80万円を投入してでもやる価値がありました」  AIの広告ツールの導入で200万円だったカバンの売上は月300~450万円へと拡大。在庫があるだけ売れるまでに成長しました。  Cさんは“売り時”を見極め、水筒カバーとカバンのブランドを売却。水筒カバーは初回ロット60万円仕入れだったのが1200万円で売却。カバンは初回20万円の仕入れだったのが1500万円で売却することができました。
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結婚をきっかけに
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物販コンサルタント。自社ブランドOEMスクール「物販NAVI」運営。かつては大手物流企業に勤めるも給料が少なかったことから新聞配達や深夜の警備員などでなんとか生活。ある雑誌で「せどりで稼ぐ方法」の記事を見つけたことをきっかけに、2011年6月より国内転売をスタート。2014年9月に脱サラ、法人設立後は自社ブランドOEMで月収500万円を達成。現在では物販スクールの講師としてコンサルも行いつつ、売り上げは月商2000万~2500万円をキープしている。YouTubeチャンネル(@navi913)でも情報発信中。

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