更新日:2023年10月29日 09:18
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東大医学部9浪、医師国家試験6浪…38歳の“元神童”が今でも「毎日10時間勉強」する理由

1日10時間の勉強を続け、夢を追う日々

 現在のルシファー氏の生活は至ってシンプルだ。 「ほぼ国家試験の勉強をしています。最低でも10時間は勉強しようと思って毎日机に向かっています。それ以外だと、X(旧Twitter)のDMで『この問題を教えてください』という人に教えてあげたりもしています。有償でやるか無償でやるかはケースバイケースですが。  また、MITドットトウキョウという会社の経営もしています。magicalOSという組み込みOSを販売しています。これはUSBのなかにPCが入ったような仕組みになっていて、PCのハードディスクが壊れている場合であっても使用できる優れものです」  数学に魅了されて学び続けたルシファー氏。東大模試の偏差値は最高で95.3にもなった偏差値長者は、アスペルガー症候群の特性に悩みながらも自らの「好き」を追い求め続け、現在も夢を追う。  同じように人間関係に悩む子どもに対して、どのような声をかけるか。筆者がルシファー氏に問うと、やや言葉に詰まってこう言った。 「『耐えて、気にしないで、勉強でも何でも好きなことをやれ』と言いたいんですが、外野の声に耐えるのがどれほど苦行であるかを理解しているので、あまり軽々しく言いたくないです」  取材開始時、窮屈にさえ感じたルシファー氏の早口が、取材を終えるころには好きなものに向かう純粋さの駆け足のように心地よいテンポに思えた。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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