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「話聞かない・仕事しない・責任取らない」職場に“老害社員”が増加中?50代以上の社員が慕われない理由とは

『うるさい!』と学校にクレームも…

取材を進めていくと、教育現場でも苦しめられている人がいるとわかった。 20代の小学校教諭はこう話す。 「昼休み、放課後に生徒が校庭で遊ぶたびに、『うるさい!』とクレームの電話を学校に入れてくる70代男性がいて頭を悩ませています。実は、ウチの学校では運動会に紅白に分かれて子供たちがソーラン節を披露するんですが、数年前から音ナシでやってます。そのクレーム老人のせいです」 子供たちの声=騒音なのか問題は常にあるが、共存の可能性を探る話し合いすら拒むのは老害ならではだ。

酒が入って「アベガー」「日本がダメになった」

最後に、老害が先鋭化しがちなのが小さなコミュニティ。暇な老人に権力を持たせると厄介だ。バーを経営する30代男性はこう話す。 「商店会の会長は『全部オレの許可をとれ』タイプの人。最初は親分肌なのかと思ったんですが、すぐに何も決断せずに、否定するだけの人間だとわかりました。地域振興策を提案したときも、時間ばかり食って地域振興券の売り出しが大幅にズレ込み、地域住民から『使用期限が短すぎる』とクレームが噴出。しかも、会長として謝罪しないし……」 商店会が古い団地内にあり、男性が経営するバーには老害客が入り浸っているという。 「ウチの若いお客さんにダル絡みするから厄介。先日も『お前ら、上司のケツの穴舐める毎日で楽しいか?オレたち世代は夢があって熱かった』『バカな若いやつが増えたから日本はダメになった』『オレはアベ政治を許さない』って熱弁し始めて……喧嘩になりかけて、仲裁が大変でした」 アルコールが入れば、老害はより攻撃的に。超高齢化社会の宿命とも言えるトラブルが相次ぐ状況を、名古屋大学大学院教授の川合伸幸氏は次のように解説する。 「第2次ベビーブーム世代の“キレる10代”が注目を浴びたように人口ピラミッドに占める比率が高い年齢層のトラブルが増えるのは当然。一概に老害と括れませんが、全体的に犯罪の検挙数が減少するなか、人口比で見ても70歳以上の検挙数だけが高止まりしていることも事実です」 高齢化社会のなか、暴走する老人からは逃れられない。
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老害パターン分析
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