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チバユウスケ氏が死去「長生きしてもしょうがない」数十年来の付き合いがあるバンドマンが語る、その素顔

言葉少なに見えるが、意外な一面も

チバユウスケ

1999年、ミッシェルメンバーとナオキさん

1996年のデビュー後、ミッシェルは飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を集め、テレビなどの出演も増える。そうした中でチバさんは、何かを饒舌に話すようなことはなく、どこかシャイそうにしている様子が印象に残っている人も多いだろう。 しかし、ナオキさんは違う一面も見ていたようで「俺はチバちゃんの言葉数が少ないと思ったことは一度もないよ!」と話す。 なかでも、特に盛り上がった話題について聞くと「やっぱり、好きなバンドのレコードの話でしょ! 打ち上げでも、パイレーツやDR.FEELGOOD、ルー・ルイスなんかの話をすると誰よりも止まらんかったし、ネットのない時代に全国のレコード屋マップを手に入れた時はマジで嬉しそうに話してくれたよ」と、憧れられる存在でありながら、いつまでも憧れる気持ちを失わなかった人だったようだ。

ロックスターであっても、どこまでもバンドマン

後に日本はもちろん、世界的にも認知されるようなロックスターとなったチバさんだが、どこまでもロックでバンドマンらしいエピソードは他にも。 「福岡に来ているチバちゃんから連絡あって、何かと思ったら『買ったレコードを見せてやる』とか言われて、レアなレコードをホテルの部屋で自慢されたりもした。あと、酔っ払って親富孝通りの飲み屋のシャッターを蹴飛ばして弁償させられたこともあった(笑)。酒の失敗をして『またやっちまった』っていうのは、何回も聞いたね(笑)」 取材を受ける時でも、ビールとタバコを手放さなかったことは有名だが、その背景には人間らしい失敗もあったようだ。 何よりバンドをやることがが大好きだったことがうかがえるエピソードも聞かせてくれた。 「俺が、当時やりよったバンドを辞めて『やる気が出ない』とチバちゃんに話したことがあったっちゃん。そしたら、『絶対またやりたくなるはずだよ!その時は一緒にやろうね!』って言ってくれたのを覚えとる」
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突然やってきた永遠の別れ…
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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