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元SKE48・高柳明音、芸能デビュー15周年の現在地。アイドルから女優へ、あの頃の青春を1万字で振り返る

「もし生まれ変われるなら固定人数グループに入りたい」

元SKE48・高柳明音、芸能デビュー15周年の現在地 アイドルから女優へ、あの頃の青春を1万字で振り返る――高柳さんの世代が作り上げてきたというところがすごくありますよね。その後、3期生、4期生と後輩も増えてくるわけですが、グループが大所帯になっていく中での悩みはありましたか? 高柳:もう悩みしかなかったです。SKE48もまだできて4年、5年なのに、どんどん新しい子が入ってきて、もう世代交代とか言われ始めて。「何をおっしゃいますか!こちらはまだ世代も何も来ていませんけど?」ってくらいの感じだったので、若い子がいろんなものに選ばれるようになったときはちょっと複雑でした。若い子が新しいことに挑戦するときに、先輩がサポートするって今見たら分かるんですけど、子供のときってそういうことを知らなくて。 アイドルが“アイドル”というものを楽しみたいのに、誰かのサポートをしたり、誰かが前に行くのを見守ってあげたり、そんなことをしたいと思って入っていないので。もちろん後輩は可愛いし仲良しだけど、仕事に対して自分がこれだけ誠心誠意に向き合っているのに報われないとなってくると、キツさはありましたね。選抜総選挙ではファンのみんなが頑張って順位を押し上げてくれたけど、SKE48に戻ってきたら、やっぱり後ろとか真ん中ぐらいにポジションに回されたりすることもあったし。そういうとき、固定人数グループだったらよかったなと何回も思いました。 ――ももいろクローバーZやFRUITS ZIPPERのようなグループですね。 高柳:そうです!私が仲の良い若井友希ちゃんがいるi☆Risというグループは、みんなが同期で一緒に作り上げてきて、新メンバーはいなくて、自分の担当カラーも決まっていて、それぞれに役割もあって……。そういうのが本当に羨ましかったですね。ずっと羨ましいです。今でも固定人数グループだったらアイドルやりながらお芝居とか女優もやりたかったなと思うぐらいです。

自分の殻が破れた瞬間

――48グループはそういう意味では少し特殊ですよね。身内で何かの枠を奪い合っていた印象があります。 高柳:でも、あのグループにいたから“今の自分”がいるのも間違いなくて。選抜総選挙があったからみんなに知ってもらえて、切磋琢磨しあって出会えた仲間がいて、ファンの方がいてと思うと……。でも、自分がもし生まれ変われるなら固定人数グループに入りたい。何かの枠を取り合うのはもうイヤ。みんなと一緒に楽しみたいのにライバルという気持ちが抜けないのはなんか苦しい。みんなで一緒にチームを作っているから“誰か”がこのチームの顔になって、“誰か”が何かを作るには選抜に入るしかなくて。ずっとモヤモヤしたものはありましたね。 ――チームのリーダーでもあったから、自分以外のことも余計に考えなきゃいけないとかありましたよね。 高柳:気持ち的には自分が前に出て、みんなに好きになってもらいたいけど、でも自分の根の部分がめちゃくちゃ真面目すぎて……。リーダーをやっていたときは、私が何かやったことに対してSKE48やチームKIIの評判が落ちるのは絶対イヤだから、ずっと意識していましたね。 だからリーダーの時期はあまり自分の殻を破れなかったです。ただ最初の組閣があったとき、チームがほぼ同い年ぐらいのメンバーだけになったんですよ。幻の『チームC』と呼ばれてるんですけど、私が最後にリーダーをやったのがこのチームでした。 あのとき初めて先輩後輩が入り乱れたんですけど、みんな私と同い年ぐらいか私よりちょっと下か上で、精神年齢がみんな高くて。みんながちゃんと仕事として楽しませよう、アイドルも楽しもうという意識がすごく強くて、あのとき初めて自分の殻を破れたんですよね。ステージで好きなようにやって、自分を好きなように見せていいと思ったのがチームCでした。あの短かった期間のチームが、「今」の自分を作ってくれたというのはすごくあります。
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アイドル時代で一番辛かったこと
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