CoCo壱番屋、多店舗展開で成功。22歳バイト出身社長も生んだ“独自の制度”とは
高度経済成長期を経て、その時代の生活様式や流行に合わせた形で進化し続け、今では当然のように日々の食生活に絶対的な存在感になったカレー。その国民食のひとつであるカレーを専門店チェーンとして多店舗化したのが株式会社壱番屋である。
カレーハウスCoCo壱番屋を中核(1412店)として、総店舗数(1457店)の97%を占めており、ほぼCoCo壱番屋の会社である。その他の業態は「パスタ・デ・ココ」(27店)、「旭川成吉思汗 大黒屋」(4店)、「麺屋たけ井」(8店)、「博多もつ鍋 前田屋」(4店)がある(いずれも2024年2月末時点)。
日本の外食チェーン店舗数ランキングを見ると、約3000店舗のマクドナルドを筆頭に、1000店を超えるチェーンは11ブランドのみだが、その中にも堂々と入っている。カレーハウスCoCo壱番屋の現在の店舗数は国内1200店(直営店107店、FC店1093店)、海外合計212店(直営店86、FC店126店)で合計店舗数は1412店となっている。
カレーハウスCoCo壱番屋の店舗売上(24年2月期決算)は国内884億8500万円、海外169億6900万円、総合計1054億5500万円)と1000億円を超えていて(24年2月時点)、そのほとんどがフランチャイズ(国内・海外含めてFC店比率86.3%)である。
株式会社壱番屋(本部)の売上は551億3700万円(前年比114.2%)、利益47億1500万円(前年比130.5%)、営業利益率8.6%(前年比114.7%)となっている。財務基盤は自己資本比率が70.2%と安定している。ROE(株主が出資した資金に対して企業がどれだけの利益を上げているかを示す指標)は8.7%と、自己資本比率が高い割には、その資本を効率的に活用し、利益を上げているのが分かる。
CoCo壱番屋は、50年前の1974年に創業者の宗次德二(現・特別顧問)が妻と開業した喫茶店で出したカレーライスが好評で、1978年そのカレーライスの専門店である「カレーハウスCoCo壱番屋」を創業した。
店名は「ここが一番や!」という思いから決定。「ニコニコ・キビキビ・ハキハキ」を掲げ、「お客様第一主義」「現場主義」をスローガンにした店づくりをしていった。
各メーカーのカレールーを試したが、選んだのがハウス製品であったことから、店で出すカレーのスパイス調合などで、開店当初からハウス食品との協業を強化していた。そのハウス食品グループは2015年に壱番屋を連結子会社化している。
株式会社壱番屋は愛知県に本社を置き、カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)を運営するカレー専門店チェーンである。2013年には「世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店」としてギネス世界記録に認定された。今年5月には、群馬や神奈川など25店舗をフランチャイズ展開する「スカイスクレイパー」の新社長に22歳のあるアバイトの女性が抜擢されたことも話題になった。
ギネス世界記録に認定されたCoCo壱番屋
創業者夫婦が始めた喫茶店がきっかけ
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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