更新日:2024年08月19日 13:02
お金

飲食店の倒産が過去最多…すき家、大戸屋の運営元が“逆境下でも業績好調”なワケ

すき家、はま寿司を擁するゼンショーHD

 ゼンショーHDが運営する各社の業績を振り返ってみたい。まず牛丼市場の競争状態は吉野家・すき家・松屋の“牛丼御三家”が88%と寡占化状態の中、すき家の店舗数1954店舗は吉野家(1232店舗)、松屋(1037店舗)に圧倒的な差をつけている。売上は2653億円、営業利益185億円、営業利益率7.0%となっている。  2002年10月に設立したはま寿司。最も業績を伸ばしており、前年と比較しても著しい伸長度を見せている。売上は前年1695億円に対して1971億円(2024年3月期)と前年同期比に対して276億円(116.3%)、営業利益も前年84億円に対して114億円と30億円(135.5%)伸ばしている。売上よりも利益の伸びが大きいのはDXの積極的な推進が、効率性をさらに高めているのが推察される。営業利益率は5.8%だ。  ロッテリアの買収や新ブランドのゼッテリア(ZETTERIA)などを展開している。売上は886億円、営業利益は139億円、営業利益率は5.7%となっている。

復活の兆しを見せているビッグボーイ

ビッグボーイ

ビッグボーイの店舗

 ステーキ・ハンバーグのビッグボーイ、ファミレスのココス、焼肉食べ放題が人気の熟成焼肉いちばん、スパゲティのジョリーパスタなどがファミリー客に支持されている。これらを含むレストラン事業は売上は1407億円、営業利益は78億円、営業利益率は5.5%となっている。  特に2002年ダイエーから買収したビッグボーイは店舗を改装し、ロゴを刷新し巻き返しを図っている。店舗数は207店舗(2022年8月時点)である。2020年以降は統廃合でかなり店舗数を減らしたが、前年(2023年)以降は残存店舗の一部を「炭火焼レストラン」として順次改装し、復活の兆しを見せている。  ビッグボーイは人手不足の中でDXをより積極的に推進している。店内に入って案内もロボット、オーダーもタッチパネル、料理提供は配膳ロボット、会計はセルフレジと一連のプロセスをほぼ無人化している。
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コロワイド傘下で復活した大戸屋
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飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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