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浪人生は“ピークの3分の1”まで減少。1浪合格の東大生が「安全志向の受験生」にあえて伝える“浪人のメリット”

浪人生活のなかで学んだこと

東京大学たかだか一度失敗しても、思ったほど人生は傾かないし、巻き返そうとすればいくらでも巻き返せる。失敗とは、落ちるまで深さがわからない落とし穴です。 ただし、失敗を取り返すためには、それなりの回復期間を必要とします。そして、傷が癒えて、教訓を抽出し、過ちを笑い飛ばせるようになるまでの時間は、失敗した回数が少なければ少ないほど長くなる。 きっと受験生にとって「不合格」は人生でも最大規模の失敗と感じられるでしょう。ですが、「受験の不合格は、取り返しのつかないものではない」ことは、浪人した人ほどわかるはず。第一志望に一度フラれた程度では、人生は傾かない。 浪人の最大のメリットは、ある程度の社会的地位を確保しながら、再チャレンジが可能なことです。世間は受験に失敗した我々を「浪人生」と呼び、「再起をかけて勉強に打ち込む人」と前向きに見てくれます。 私自身、現役時はすべての出願校に不合格し、浪人生活を体験しました。確かに嬉しいことばかりではありませんでしたが、それ以上に「一度転んでも立ち直る力」を鍛えられましたし、「一度転んでも大したケガはない」とも学べました。 失敗から立ち直ろうとするときに、ここまで好意的にとらえられる状況を、僕は他に知りません。

浪人は「社会に出る前から転ぶ練習ができる」

つまり、浪人生は、「社会に出る前から転ぶ練習ができる」のです。これはレジリエンスの考え方に通じ、一度失敗して、立ち直る流れを学生のうちから自分事として体験できる。 もちろん、これは浪人を積極的に勧めているわけではありません。ただ「失敗も悪いことばかりではない」と伝えたい。失敗や敗北にも価値はあるのです。生まれてから死ぬまで、一度も失敗しない人なんて存在しないのですから。 とはいえ、一発で受かるに越したことはない。出願も済んだ今となっては、最後まで走り切るしか道はありません。現役受験生が粘り強く目標へ立ち向かってくれることを祈ります。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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