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東京大学の“隠された食堂”で提供されるスパイスカレー。現役学生が「見逃せない逸品」と語るワケ

 以前の「東大学食カレーレビュー」の記事は、予想以上の大反響をいただいた。コメントを拝見する限りでは、どうやら30年~40年前の学食は美味しかったようで、施設の経年劣化がまずさの原因とする仮説が一層信ぴょう性を増した形に。  ところで、みなさんは東大駒場キャンパスにもう一つの隠された食堂があることをご存じだろうか。駒場キャンパス学生食堂の2階には「Dining 銀杏」というレストランが設置されている。  ここは1階とは価格帯が異なり、600円~程度出さないと食事できない「高級」レストランであるが、その分だけクオリティも上がっている。  やはりというべきか、ここにもカレーはあった。それも、東大スパイス部とのコラボメニューであり、これは見逃せない逸品だ。  だが、触れ込みに対して、このカレーを頼んでいる学生は、取材時に見渡した限りでは、一人もいなかった。一体なぜだろうか。今回は、隠された2階食堂のカレーの秘密に迫る。
東京大学のスパイスカレー

温野菜のスパイスカレー

こだわりを感じる逸品

 正式名称は「東大生協×東大スパイス部 温野菜のスパイスカレー」。  ベジタリアン推奨とある通り、少なくとも具材に肉は使われていない。スパイスカレーの中辛なのでさぞ辛いかと、辛いものが苦手な筆者は心配であったが、いわゆる普通のカレーの中辛が食べられれば十分耐えられる程度の辛さであった。  お値段は一般価格で825円。組合員価格でも660円と、「学食のカレー」としてみるならば、超高級料理である。  東大の学食は、「カレー」「そば・うどん」などカテゴリごとに受け取るカウンターが異なるのだが、私が取材に行った時には、一人もカレーカウンターに並ぶ学生はいなかった。  やはり、高すぎる値段がネックかとも思ったが、そもそも2階食堂の平均は600円~なので、そこで審査落ちするべくもない。  一抹の不安を覚えつつ、カレーを注文。さすが学食というべきか、30秒ほどで提供された。私は生協組合に加入していないので、定価での購入。果たして、800円超えのカレーは私をどのように驚かせてくれるのか。  食べてみてまず感じたのは、非常に複雑なスパイスたちの風味だ。「スパイスの配合に本気でこだわったルー」と紹介される通り、やはりここが一番のこだわりなのだろう。  そして、トッピングされている温野菜たちは、ちょうどいい煮込み加減で、歯ごたえは残しつつも固くはなく、触感を楽しみつつ野菜を楽しめた。  量としては、普段並盛を頼む人ならば十分お腹いっぱいになる程度はあり、学食としては大盛りを期待したいとはいえ、ここも及第点と言えよう。

帯に短し襷に長しな結果に

 では、なぜスパイスカレーに並ぶ学生がいなかったのか。その理由もまた、スパイスにあるように思われた。  私はスパイス的な風味に楽しみを感じながら食べ進められたのだが、取材同行者は「ちょっと自分には合わない」と2口程度で残してしまった。  いわゆる「日本のカレー」を食べなれている人には、あまりに本場すぎる風味が面食らわせる要因となっていたのだ。 「本場スタイル」といえば聞こえはいいが、日本人の舌には全くおもねっていないストロングスタイルの配合。私は好きだったが、人によって好き嫌いが分かれるのも確かであろう。  そして、この話題はおそらく試食の際にも出ただろうから、「好きな人は好きと言ってくれる」としてゴーサインが出たと思われる。私が訪問した際は、偶然「好きな人」がいなかった時間帯だったのだろう。
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「カレー好き」がわざわざ食べに来るかは疑問
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1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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