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高校無償化は「貧困層だけにデメリットがある」理由。「授業料を払わなくていい」わけではない

「大学全入」の幻想に囚われすぎでは

「大学全入」という幻想 私は、この問題の根本が「大学全入時代」にあると考えています。大学入試競争が激しくなりすぎて、「大学に行かないと仕事に就けない」と誰もが考えている。  ですが、本来教育はぜいたく品です。誰にでも配られるものではない。その結果、大学入試でどうしても相対的に不利になる貧乏人が割を食っている。  何度も言われていることですが、大学は就職予備校ではありません。ですが、「せめて大学くらいは」と、見栄とプライドのために何も考えず大学に入れようとする親たちと「親が言うのだから」と盲目的に従う子どもたちには、そうではないようです。  少なくとも、彼らが集まるところに「研究機関」としての大学が機能するとは、甚だ思えません。  大学受験競争の価値が高まりすぎている。受験で傷つき倒れる子たちも増えています。ですが、これは高校無償化では到底鎮静できない燃え盛る炎です。

どんな学歴でも幸せに生きていける環境こそ必要

 ここまで大卒の価値ばかり追っているようですが、中学卒業でも高校卒業でも本来は十分な学歴ですし、それで十分幸せに生きていける環境が構築されるべきでしょう。  それが「四大卒」を必須資格のようにして、就職先が絞られる現状、それを野放しにしている社会が、巡り巡って子どもたちの首を絞めているように見えます。  中卒でも高卒でも幸せに暮らせるように生活レベルの底上げを図るべきですし、そういった人々が更なる学びや学びなおしをしたくなった時に戻ってこられる場所として大学があるべきではないかと思います。 「リスキリング」は盛んに奨励されていますが、実際の大学はほとんどが10代の「現役合格者」。石破総理は「地方創生を政策の核心とし、すべての人が夢に挑戦し、自己実現を図っていける国家像」を「楽しい日本」と形容しました。  その実現のためにも、子どもたちを受験地獄から解放するためにも、自己実現を図るのに有効なリスキリングの価値を、さらに広めていってほしいと思います。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

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