更新日:2014年02月07日 22:49
エンタメ

2012年夏【アメコミ映画頂上決戦】の行方

アベンジャーズ

『アベンジャーズ』TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー中 (c) 2011 MVLFFLLC. TM &(c)2011 Marvel. All Rights Reserved.

 6月の『アメイジング・スパイダーマン』を皮切りに、7月に全世界でお披露目された『ダークナイト ライジング』、そして8月14日に日本では封切られた『アベンジャーズ』と、この夏、立て続けに公開を迎えたアメコミ原作の映画作品。原作は3作とも長い歴史と根強い人気を誇る作品であり、さらには『アベンジャーズ』の全米オープニング興行成績歴代1位をはじめとした高い前評判も合わさり、映画ファンやアメコミ好きの間では心待ちにする声が集まっていた。  肝心の興行成績はどうなのだろうか。映画関係者は次のように語る。 「まず一番手として登場した『アメイジング・スパーダーマン』は公開から2週連続で興行成績トップ、特に2週目は『海猿』が公開された週だったので首位を守ったのは立派。『アベンジャーズ』も無事に最初の週末ではトップを獲得しました。スパイダーマンやバットマンと比べると日本での知名度は高くありませんが、全世界での記録ラッシュの勢いそのままといった印象です」  事前の期待にそぐう客入りをみせた2作。しかし、大ヒットを収めた前作『ダークナイト』に次ぐシリーズ完結編である『ダークナイト ライジング』に関しては、あまり景気のいい話は聞こえてこないという。 「興行成績は、公開週からまさかの2位。その後もズルズルと順位を下げてしまっています。期待があまりにも大きかっただけに、関係者はずいぶんと焦っているらしいです。作品自体は前作にも劣らない出来だとは思いますが……。まあ、ただ『海猿』や『おおかみこどもの雨と雪』などがヒットしたことによって順位が上がらないわけですから、邦画界にとってはいいことと言えるのかもしれません」  内容といえば、ハリウッドらしい派手なアクションに加え、練られたストーリーが存分に楽しめる快作揃い。  これまでの『スパイダーマン』シリーズからキャスト、スタッフが一新した『アメイジング・スパイダーマン』は、主人公ピーター・パッカー役のアンドリュー・ガーフィールドの好演が光る。『ソーシャル・ネットワーク』でのマーク・ザッカーバーグの親友役が評判を呼んだが、主役に抜擢された本作は、さらなる躍進のきっかけになりそう。 『ダークナイト ライジング』の飽きさせない演出はさすがで、2時間45分の上演時間をまったく長く感じさせない。クリスチャン・ベール、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットの苦悩を湛えた表情にマイケル・ケイン、ゲーリー・オールドマン、モーガン・フリーマンの渋さ、そしてアン・ハサウェイのキュートでセクシーな身のこなしとキャストの魅力も満載。本作だけでも十分楽しめるが、シリーズの過去2作を改めて観たくなることは必至だ。  好対照なのが『アベンジャーズ』。こちらはそれぞれがピンでの作品を持つヒーローたちが集結するのだが、予習なしでもまったく問題にならない。それぞれのキャラクターの出自や葛藤は本作のなかでも触れられるうえ、極論してしまうと、そもそもそんな彼らのバックグラウンドを理解する必要すらない。勧善懲悪という心地よい予定調和に身を任せ、ニューヨークの街でバッタバタと敵を倒していくさまだけでもテンションが高まる。  三者三様の魅力を放つエンターテインメント大作。厳しい残暑からしばし逃避し、アメコミの世界に浸ってスカッと涼を納めてみるのはいかがだろうか。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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