仕事

朝起きれず、遅刻ばかりしている人の対処法

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】 “外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える! ◆万年床(ペンネーム) 会社員 男性 30歳  ものすごくシンプルな相談です。僕は、朝、なかなか起きることができません。一度目が覚めても、すぐにオチて二度寝し、さらに目覚ましで起きても、また寝そうになります。  今の会社に勤めて3年弱ですが、出社時間の5分前に会社に着けたのは数えるほど。ほとんどが9時15分ちょうどとか、少し遅刻しての出社です。僕の遅刻癖には上司もあきれています。それだけならいいのですが、取引先との打ち合わせも遅刻することが多いので、自分でも嫌になってきます。  この手紙も1年以上前から書こうと思っていて、ようやく書きました。すぐ行動できる人になりたいです。佐藤さんはショートスリーパーで寝ずに仕事し続けられる人だと聞いています。どうすればいいか、アドバイスを宜しくお願いします。 ◆佐藤優の回答  一年かけて質問を準備していただき、どうもありがとうございます。社会人として、遅刻は非常にマズイです。時間を守れない人は、すべての分野でだらしないというレッテルが貼られ、責任のある仕事を任せてもらえません。また、リストラが行われる場合には、解雇されるリストの上のほうに「基本的な生活習慣が身についていない。時間を守ることができない。毎日のように遅刻する人」と入れられます。それですから、万年床さんも、できるだけ早く、遅刻のクセを直す必要があります。 「二度寝し、さらに目覚ましで起きても、また寝そうになります」ということですが、現在の睡眠によって、十分に休息がとれているかどうかについて、専門医に診てもらうことをお勧めします。例えば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の場合、いくら寝ても、睡眠中に息が止まる時間が長いので疲れが取れません。この場合、治療が遅刻の解消に直結します。あるいは低血圧や血中の鉄分が不足している場合も、朝起きることが難しくなります。  早起きができないことに関して、SASなどの病的要因がないならば、お医者さんに現状を話して睡眠導入剤か軽い睡眠薬を処方してもらうといいと思います。そうすれば、確実に数時間、深い睡眠を取ることができます。実は、私もときどき睡眠導入剤を服用することがあります。万年床さんが指摘するように、私はもともと睡眠時間が短いショートスリーパーです。だいたい3時間台の睡眠時間が、中学1年生のときから基本型になっています。睡眠時間は個人差が大きいです。<睡眠法は、「自分の体質に合わせて、必要で十分な時間をとる」という以外の方策がない。あえて言うならば「ハッ」と目が覚める瞬間を逃さずに、二度寝、三度寝をしないことだ。>(『読書の技法』256頁)と私は考えています。  最近は年齢(現在52歳)のせいもあるのでしょうが、原稿の締め切りがたくさん重なると、ベッドの中に入ってから、作品の構成や読んだ本の内容をどう原稿に反映させようといったことを考えて寝付けなくなってしまいます。そして、3時間睡眠を切るような状態が2~3日続くと、昼間、起きているときも、頭の中が朦朧として、よい知恵がわいてきません。そこで親しくしている大学病院の先生(腎臓内科)に相談して、睡眠導入剤を処方してもらいました。私の場合、慢性腎臓病を抱えているので、薬を飲んだときに腎臓にどのような影響があるかについて配慮することが不可欠なので、何事も先生に相談することにしています。頭が興奮しているときに睡眠導入剤を飲むと、ぐっすり4~5時間は眠ることができ、疲れが完全に取れます。万年床さんも、思い切って精神科か心療内科を訪ね、「朝、どうしても起きることができません」と相談してみることをお勧めします。そして、薬を処方されたら、きちんと飲むことです。 【今回の教訓】 「ハッ」と目覚める瞬間を逃さないこと ◆募集 佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。 ⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form 【佐藤優】 1960年生まれ。1985年に外務省入省。在英、在ロシア連邦大使館、国際情報局分析第一課で活躍。2002年に背任の容疑で逮捕。『インテリジェンス人生相談』個人・社会編に続く第3弾、新刊『インテリジェンス人生相談<復興編>』が発売中!
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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