雑学

噂の「セーラー服おじさん」に直撃インタビュー

 最近ツイッターなどで話題の「セーラー服おじさん」。頭頂部がかなり寂しい白髪にヒゲ面のおじさんがセーラー服を着て街を徘徊している姿が各所で目撃されている。4月7日に川崎市で開かれた「かなまら祭り」にも登場。海外からの観光客や報道陣にも大注目を浴びていた。

セーラー服おじさん,かなまら祭り

「かなまら祭り」にて観光客に取り囲まれる。撮影/岩切等

 いったいあのおじさんは何者なのか? ただのイカレた人なのか? その正体に迫るべく、ご本人に直撃インタビューを敢行した。

――いつ頃から、どういうきっかけでセーラー服のコスプレ(?)をするようになったんですか?

「もともと女性用のものを着てみたいという一種のフェティッシュな性向は小学生時代からあったようで、大学生ぐらいのときから実際に自宅でこそこそと女装を楽しんでいました。しかし、そういうのはいくら本人がナルシシズムに浸ることができても、第三者的な目で客観視したときには、決して美しいもんではないと認識しており、人に言うもんでも見せるもんでもないと思っていました。人前に出るようになったきっかけは、2010年の『デザインフェスタ』です。人形作家の作品を撮影した写真を展示するブースを構えていたのですが、キャンディ・ミルキィさん(有名な女装家)が表敬訪問してくださるとのことで、それなりのいでたちで迎撃しなくては、とセーラー服でお迎えしたわけです。それが意外にウケて、デザフェス名物みたいな形になってしまい、以来、デザフェスには欠かさずその格好で出ています」

――最初はイベント用のコスプレだったんですね。それが今のように公共の場にも出ていくようになったのは……?

「最初は2011年6月11日、鶴見のラーメン屋でした。通称『ラーメンショップ高梨』というお店で、『30 歳以上でセーラー服着用で来店すればラーメン1杯タダ』という企画に乗っかる形で。きっちり一番乗りになることができました(笑)」

――普通はラーメン1杯のためにセーラー服は着れませんからね。それにしても、なぜセーラー服だったんですか?

「うーん、難しいですね。あまり深く考えたことがないもので……。似合うから? 実際、真顔で『お似合いですよー』と言ってくれる人が何人もいました。最初は、悪質であることをわざと意識したジョークみたいなもんでした。なので、セーラー服が典型的でよいのではないかと思いました。記号的な要素の寄せ集めで“カワイイ”が形成されていて、それさえ踏襲すれば私でも可愛くなれるのか? というアンチテーゼみたいなものでした」

――セーラー服で街を歩いたときの周囲の反応はどんな感じですか?

「私の視点からだと、ほぼ無反応、スルーです。が、後ろから見ると、面白いことになっているみたいです。すごい驚いた顔をしていたり、振り返ったり。ここ1か月ぐらいでネットで情報が広まったみたいで、声をかけてくる人が増えた感じがします。写真撮影を頼まれ、ポーズをとってあげたりしています」

セーラー服おじさん

電車にもこの格好で普通に乗っちゃう。撮影/岩切等

 セーラー服姿の異様なインパクトとは裏腹に、受け答えはきわめてまとも。それもそのはず、実は本業は某有名企業の会社員なのだ。「GrowHair」という名前で活動しているとはいえ、これだけモロに顔出ししていれば会社にはバレバレだと思うのだが、そのへん大丈夫なのだろうか?

「社名を出さない限り、比較的自由に活動できます。部署の飲み会にはセーラー服を着て出席しているので、同じ部署内の人たちはみんな知っています。概して肯定的です」

 おお、なんてフリーダムな会社なんだ! 同僚の皆さんも懐が深い!!

 ちなみにGrowHairさんは、写真家としての活動のほかに中学生アイドルグループ「かおす de じゃぽん」のプロデュースも手がけているという。

「というか、プロデューサー陣の一員であり、写真撮影役であり、メンバーでもあり、という感じです」

かおす de じゃぽん,セーラー服おじさん

「かおす de じゃぽん」のメンバーたち。撮影/岩切等

 えっ、メンバー……!? ちょっと言ってることがよくわからないが、5月19(日) にはデザインフェスタでライブもあるらしいので、詳しくは「かおす de じゃぽん」のfacebookページを見ていただきたい。

 そんなGrowHairさんの写真を撮り続けている写真家の岩切等さんは、次のように語る。

「一度見たら誰でも目が釘付けになる存在感がすごい。彼を見る人々の笑顔が喜びに満ち溢れていて、ただのコスプレ趣味にとどまらないオーラを感じさせます。現代のイコンのような存在ではないでしょうか」

 フランスでも大人気というGrowHairさん。“クールジャパン”の親善大使として、政府からお声がかかる日も遠くない……かも!? <取材・文/新保信長>




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