猛暑で動物も夏バテ!? 動物園の暑さ対策で快適に
平安・鎌倉時代以来となる、1000年に一度の“千年猛暑”と言われた今夏。連日40度を超す酷暑のピークは過ぎたが、まだ残暑の厳しい日が続いている。暑さで体調を崩したり、夏風邪をひいてしまった人も多いのではないだろうか。しかし、この猛暑で参っているのは人間だけではなく、動物たちも“夏バテ”しているらしい。
ということで、早速、上野動物園へ! 取材に訪れた8月某日は曇りで日差しはなかったものの、最高気温が34度ほどあり、しかも湿度が高くジメジメとした暑い1日。そのせいか、ホッキョクグマはどことなくグッタリしているように見えたし、ニホンザルは少しでも日陰になっているところを求めてじっと暑さに耐えている様子。エゾヒグマに至っては顔の半分まで水に浸かって涼んでいて、「あ゛~、気持ちいい」という声が今にも聞こえてきそうだ。
「1日の活動の中には、体を休めている時間帯もありますから、必ずしも夏バテとは限りませんが……寒い地域に生息している動物は夏バテしやすいという面はありますね」(上野動物園・教育普及係)
⇒【画像】暑さでグッタリする動物たち
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=497014
◆動物の夏バテ防止のための暑さ対策とは?
連日30度を超える日が続くと、さすがの動物たちも堪えるようで、動物たちの“夏バテ”防止のため、上野動物園ではさまざまな対策をとっているという。
「動物園には、数が減っている動物が多数います。『種の保存』を目的に、動物たちが過ごしやすい環境づくりを心掛け、ひいては繁殖につながるように取り組んでいます」(同)
暑さ対策の一例を紹介すると、ホッキョクグマやヒグマ、ツキノワグマ、トラなどには氷の餌を与えているという。また、ケープペンギンやニホンザル、クマの放飼場では、ミストやスプリンクラーを設置。タイミングがよければ、氷の餌を食べているところや、シャワーを浴びているペンギンなど、かわいらしい姿を見ることができるそうだ。
ちなみに、上野動物園の人気者ジャイアント・パンダは特に暑さに弱く、25度以上になったら涼しい室内で飼育することになっているという。上野のパンダが“たれぱんだ状態”になっていないか心配だったが、冷房の効いた涼しい室内で元気に竹を食べていて一安心。
また、暑さ対策を施しているのは、動物たちにだけではない。猛暑のなか少しでも快適に楽しんでもらえるよう、上野動物園では一部の通路でミスト装置を設置したり、休憩所はよしずや緑で覆って涼しくしたりと、来園者への対策もとっている。
⇒【画像】凍らせた餌を食べるトラ
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=497032
8月も残りわずかだが、残暑はまだ続く。上野動物園の行き届いた暑さ対策のおかげで、動物も来園者も夏バテせずに楽しく過ごせそうだ。 <取材・文・撮影/横山 薫 写真提供/上野動物園>
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- どこかグッタリしているようだったホッキョクグマ
- 体重計の下で涼むニホンザル
- 日陰になっているサル山の陰にいる親子ニホンザル
- アマゾン川流域に多く生息するカピバラも暑さでダウン!?
- 赤道直下に多く生息するアビシニアコロブスも夏バテ?
- 百獣の王ライオンも暑さには勝てない?
- ツキノワグマもグッタリ…
- 北海道に多く生息するエゾヒグマは水に漬かって涼を取る
- 暑さに参っている親ゴリラと、活発な子ゴリラ
- 鳥類のなかで最も北に分布するシマフクロウ。暑さに弱く、日陰が多いエリアにいる
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- 凍らせた餌を食べるトラ
- 氷をもらったホッキョクグマ
- 水のシャワーを浴びるケープペンギン
- ヤギのもとに届いた氷の暑中見舞い
- 冷房の効いた部屋で快適にすごすリーリーとシンシン
- 一部の通路ではミスト装置を設置している
- よしずや植物で涼しい休憩所も
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