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液状化で危険な土地に五輪施設建設の愚

長年の誘致活動が実のり、2020年の東京オリンピック開催が決定した。8年間で3兆円という膨大な経済効果も期待され、明るい話題ばかりだ。しかし、その陰では――

◆液状化で亀裂が入った土地に水中競技施設を建設!

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液状化の跡がまだ残っている辰巳の森海浜公園

「液状化は本当にひどかった。目の前の広大な芝生のグラウンドは池のようになり、地面に亀裂が走りました。この建物だって傾いて、ジャッキアップしたくらいです」

 こう語るのは、東京都江東区にある辰巳の森海浜公園(約17ha)の公園事務所の男性職員。2年前の東日本大震災は、東京都の東部沿岸地域に被害甚大な液状化現象をもたらし、同公園ではトイレが地面にのみ込まれたほどだ。職員の言う「この建物」とは公園事務所のこと。

 公園を歩くと今も地面が多少の波を打っていたり、施設の土台が地面からずれているのがわかる。

 この公園に建設されるオリンピックの水中競技施設は2つ。

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まだでこぼこが各所にあり、注意を促す張り紙が

 一つが、公園事務所の真ん前に広がる芝生に建てられる水球会場の「ウォーターポロアリーナ」。もう一つが、芝生に隣接する林(植樹用の樹木を育成する用地で立ち入り禁止地区)に造る「オリンピックアクアティクスセンター」。水泳やシンクロナイズドスイミングに使われる。ポロアリーナは仮設の施設で閉会後に取り壊されるが、アクアティクスセンターは観客席2万を5000に減らし、閉会後も恒久施設として残す。

 液状化現象に詳しい東京電機大学理学部の安田進教授(地震工学)はネットでこう語っている。

「東京都の臨海部はほとんどが埋め立て地。一番の問題はまさしく液状化です。東京都の台場から千葉県の千葉市までの液状化は41平方キロメートルという世界最大を推計しました。M7.3の首都直下地震だと、東京湾の震動は東日本大震災より強く、液状化の可能性も高まります」

取材・文・撮影/樫田秀樹 斉藤清八 写真/権徹
― 東京五輪の陰で進む“浄化作戦”【5】 ―




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