更新日:2015年07月01日 20:12
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近い将来、日本の水族館からラッコが消える!?

アベノミクスの次なるフェーズは? 消費税増税で生活はどうなるのか? TPPは? 中韓との外交問題は……などなど、我が国は今年も多くの課題を抱えている。しかし、そんな大きなトピックの陰に隠れて、実は結構日本の首を真綿で絞めるような問題がある。あまり話題にならない、日本が抱える「2014年問題」を探った ◆日本が抱える2014年問題 【ラッコ水族館絶滅】進む高齢化。欧州では飼育する水族館は1館だけ  貝をお腹の上で割る姿が愛らしいラッコが日本で見られなくなるかもしれない。鳥羽水族館の石原良浩氏に現状を聞いた。 ラッコ「野生の数が減り、輸入がストップしてから生まれる数より高齢で死ぬ数のほうが多い。’94年には122頭でしたが現在は27頭。うち9頭が15歳以上と高齢化が進んでいます」  繁殖も難しい。 「生まれた子供は、しばらくしたら隔離します。でないとオスの子供は大人のオスに攻撃され、メスの子供は近親交配になる」  他の水族館のラッコとペアリングも容易ではないそうだ。 「ラッコは輸送中、興奮しすぎるとショックを起こして死んでしまうほどストレスに弱いので、移動にはリスクがある。さらに、子供の頃に隔離したラッコは、学習ができてないのか、大人になっても交尾ができず、繁殖がうまくいかない場合が多い」  昨年12月にはヨーロッパで唯一ラッコを飼育するリスボン水族館でも一頭のラッコが亡くなり、残り頭数も減りつつある。日本の水族館はラッコが消えないように繁殖について懸命な努力を続けている。 ◆解決済みだった2014年問題 【チョコレート】  主要産地コートジボワールの内戦や新興国での需要急増で、「カカオ豆の供給が’14年から逼迫し、チョコが姿を消す?」というニュースを、’11年に英紙デイリーメール、そして’12年にもWIREDなどが報じたことがあった。  現状はいかに? 「カカオ豆の価格はこの10年でほぼ倍に上昇しているものの、需給バランスは安定しており、チョコレートが店頭から消えるような事態に陥ることは考えにくい」(日本チョコレート・ココア協会の藤田康子事務局長代理)とのこと。チョコ絶滅は杞憂で終わりそうだ。 取材・文/小山田裕哉 鼠入昌史(OfficeTi) 高島昌俊 渡辺雅史 森田祐子 ― 警告[2014年問題]が意外とヤバい!【8】 ―
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