「運動会で娘を応援するのとアイドルの応援は同じ」独身オタの主張
―[[中年ぼっち]の正しい楽しみ方]―
独身、離婚、孤独死への不安。漠然とした闇を一切感じさせず、「ぼっちライフ」を謳歌している中年たちがいる。なぜ孤独でも楽しく過ごせるのか? 実際のケースをもとに、中年を迎えたときに、隣に誰もおらずとも寂寥感にとらわれずにすむ方法を模索した。
◆「娘」はアイドル。疑似父親体験にどハマりぼっち
●向井守さん(仮名)41歳
会社員の向井さんの楽しみはズバリ、地下アイドルのライブに通うこと。秋葉原を中心に、週に3~4回、およそ20年以上地下アイドルのライブ通いを続けている。
「小中学生のアイドルから現役女子高生アイドルまで幅広く応援しています。ロリコンではないのですが、運動会とかで自分の娘を応援するような感覚に近い。恋愛とか結婚とか、三次元だといろいろ面倒じゃないですか。苦労してもATM扱い(ただ給料を運ぶだけ)されそうだし、反抗期や教育とかも大変そう……。アイドルは、そんな面倒なことを全部すっ飛ばして、ただ自己中心的に愛情を注げる。疑似恋愛ではなく、疑似父親体験ができるところにハマっているんだと思います」
シャツのネクタイを緩め、一心不乱にファンタオルやうちわを振り回す。向井さんと同様、会社帰りに一人で参戦しているサラリーマンも多いという。
「ここでは“ぼっち”という概念はありません。好きなアイドルのために、一人でせっせと通うのは当たり前。全員が温かい家族なんです。グッズを買うのも、子供にお小遣いをあげるのと同じような感覚。人生で唯一の楽しみといっても過言ではありません」
貢いだ額は100万円以上。確かに養育費に比べたらお得だ。
★中年ぼっちの楽しみ方『子供がいない寂しさはアイドルで紛らわせる』
取材・文/青山由佳 ※写真はイメージです
― [中年ぼっち]の正しい楽しみ方【3】 ―
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