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秩父山中で見た「ライフル射撃」は観客2名! 東京五輪の観戦穴場競技を探してみた

~今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪 第1回~ フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。  来年の夏、リオデジャネイロで五輪が開催されます。リオ五輪ではいくつの競技が行なわれるかご存じでしょうか。実にその数、28競技306種目にも及びます。サッカーや陸上といった人気競技はテレビでも大々的に中継されますので、当然ご覧になっているでしょう。  しかし、それは五輪のほんの一部。陸上も、サッカーも、競泳も、体操も「28分の1」に過ぎないのです。陸上などものすごい数の種目がありますが、マラソン・ハンマー投げ・100メートル等々を全部ひっくるめて「28分の1」。テレビでもロクすっぽやらないヤツが、五輪には結構ある。何だか勿体ないと思いませんか。どうせなら全部楽しみたいと思いませんか。  来たる2020年、東京にも五輪がやってきます。一生に一度くらい五輪を現地で観戦したいじゃないですか。そりゃあ陸上とかサッカーを見られたらうれしいですが、そう都合よくいくものでしょうか。チケット争奪戦がすごいことになるんじゃないでしょうか。そのときになって「何でもいいから見たかった」と思っても遅いのです。  動くなら今です。多くの人が「できればサッカーが見たいです」とかノンキなことを言っている間に、ズバっと「この際、射撃でいいです!」を言えたなら。それだけでチケット争奪戦を一歩リードできるはず。幸い2020年までには時間があります。来年の夏にはリオ五輪という予習の機会も待っています。今ホップし、リオ五輪でステップし、東京五輪へジャンプする。チケット争奪戦への助走を今、始めようじゃないですか。 ◆いざ穴場競技の知られざる現場へ  そんなことを思い立ち、僕が向かったのは埼玉県長瀞町。ライン下りなどで知られる秩父山中の奥地で、よく知らない「28分の1」の代表格・射撃の大会が行なわれているというのです。一体そこではどんなことが繰り広げられているのか。どんな風に楽しめばいいのか。まずは一回、現地で見てみようじゃないかと思い立ったのです。  早朝に東京を出発し、関越自動車道を北上する僕&担当編集氏2名による物見遊山一行。当初は埼玉=近場のつもりでの出立でしたが、思いのほか会場は遠く、思った以上に山奥でした。時折現れる「長瀞射撃場はコチラ」の看板を頼りに進んでいくものの、スタジアム的なものがありそうな雰囲気はまったくありません。ていうか、逆に人の気配がなくなってきます。一応、事前のリサーチではココで「日本代表」を決める試合をやっているらしいのですが、代表選手どころか誰もいないんじゃないかと不安になってきます。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=848066
秩父山中で見た「ライフル射撃」は観客2名!【東京五輪の観戦穴場競技を探してみた】

山中をひた走り、やっと見つけた射撃場の入口

 あ、あった。山の中腹を切り拓き、そびえ立つ白亜の城。周辺の民家とは明らかに様相が異なる、砦みたいな建物が確かにありました。そしてパーンパーンと銃声がつづけざまに響いています。どうやらこの砦に銃の名手が集っているらしい。砦といい、銃声といい、ちょっとした謀反でも起こしそうな雰囲気です。
秩父山中で見た「ライフル射撃」は観客2名!【東京五輪の観戦穴場競技を探してみた】

現地到着後、撮影した周辺の風景は圧倒的に「山」

 現地には着いたものの、いっこうに消えない不安。ここには受付もなければご案内もない。警備員も係員もいない。スタジアムにありがちな手荷物検査など存在すらしません。まぁ、選手が全員銃を持っているなら、空き缶やペットボトル程度恐れるに足らないということでしょうか。およそ通常のスポーツイベントとは様相が異なります。そして、現地まで来て言うのは何ですが、僕はチケットを持っていません。チケットぴあで売っていなかったのです。もしかしたらローソンチケットで売っていたのかもしれませんが、ここまでの道中でローソンは見つけられませんでした。もしローソンまで戻れと言われたら、どこまで戻ることになるのかめっちゃ不安です……。
秩父山中で見た「ライフル射撃」は観客2名!【東京五輪の観戦穴場競技を探してみた】

何となく人がいそうな建物

 クラブハウスという名前の施設に恐る恐る忍び込んでいく間も、パーンパーンという銃声は止むことがありません。「ここの人たち、みんな鉄砲持ってるんだよな……」「忍び込んで撃たれたりせんやろな……」「何だかメタルギアソリッドみたいな気分……」と思っていると、建物の中でようやく受付っぽい場所を発見。普段はこの射撃場を利用するガンマンたちの受付をしていると思しきオジサンが、快く物見遊山一行の対応をしてくれました。早速試合が見たい旨を伝えると、どうぞどうぞと会場に案内されます。ちなみに、この日はチケットとかは不要で、勝手に入って勝手に見る感じだそうです。  午前10時過ぎ、ようやく会場内に入ると、すでに試合は始まっていました。朝の9時から始まっていたそうで、試合開始に間に合うように会場入りするのは極めて難しい時間設定です。場内には取り立てて観客席などはなく、どこに居たらいいのか戸惑う感じも。  ていうか、そもそも「観客」がいません。選手とコーチと運営の人しか見当たらない。僕と、一緒にきた担当編集氏の2名以外は全員関係者だったのかもしれません。「異物」を見るような目でチラチラッとコッチを見てくる選手の視線が気になります。向こうも見慣れない連中の姿が気になるんでしょうがコッチも気になります。銃を持った人に訝しげな視線を見られると、地味に怖いものですね……。
秩父山中で見た「ライフル射撃」は観客2名!【東京五輪の観戦穴場競技を探してみた】

異物の侵入にもめげず競技に立射姿勢で集中する選手たち

⇒『日本のゴルゴはここにいるのに…「ライフル射撃」観戦の問題点とは』に続く https://nikkan-spa.jp/848103
自由すぎるオリンピック観戦術

スポーツイベントがあるごとに、世間をアッと言わせるコラムを書き続ける、スポーツ観戦ブログ『フモフモコラム』の中のひとによるオリンピック観戦本

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