カーライフ

「最近のスバル車はあまりにも北米市場にすり寄ってる」は本当か?

ドラマで描かれるように、編集者にとって担当作家は神様。一読者だった自分が憧れの人の担当になれるなんて! しかし編集者である以上、時には心を鬼にしなければ……。気まぐれな神様を飽きさせずに、新機軸を打ち出そうと常に試行錯誤しております。で、そろそろ神様の上から目線にも飽きてきたと思うので、こんな感じはどうでしょうか?(担当K)

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=886305

MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆鬼編集者の命令で北米市場重視のスバル車批判を試みました

鬼編集者の命令で北米市場重視のスバル車批判を試みました 当欄の担当Kは鬼だ。「次はスバルの悪口でいきましょう」などと言う。

 理由を聞くと、スバルの悪口を書くとウケるから、だそうだ。

「昨年、レヴォーグとボルボを対決させて、レヴォーグが惨敗した記事をやったじゃないですか。あの記事(nikkan-spa.jp/664650)がスバリスト(熱狂的スバルファン)が怒り狂って大炎上。アクセス数がすごかったんです」だと。つまり私に炎上ビジネスの片棒を担げと言うのだ。

 私はスバルに何の恨みもない。逆に日本人として大恩を感じている。なにせ、このところのスバルの北米での稼ぎっぷりは素晴らしい。アメリカ向けのスバル車は作るそばから売れて生産が間に合わない。今や全体の約6割が北米向けだ。おかげで昨期の利益は3265億円と前年比73%増。大いに国威を発揚しつつ、お国に税金を1000億円くらい?納めてくださっている。これで悪口など書けるはずがなかろう。

 が、担当の命令は絶対である。私にとって担当Kは、スバルにとっての北米市場。要望はなんでも聞く。それで我が家はオマンマを食っているのである。

 スバルの悪口と言えば、「最近のスバル車はあまりにも北米市場にすり寄ってる!」でキマリだ。

鬼編集者の命令で北米市場重視のスバル車批判を試みました

レヴォーグの登場で国内向けのツーリングワゴンがなくなり、セダンとSUVのみになったレガシィ。そのSUVがこのアウトバックです。2.5リッターのガソリンエンジンは175馬力で、価格は313万円2000円~

 たとえばレガシィ。誕生以来スバルを代表するモデルだが、昨年発表された新型レガシィは完全に北米向けになり、全幅がなんと1840㎜! キャデラックと同じになった。こんなバカデカいクルマに日本人がバカスカ乗れるはずがない。とんでもない日本市場軽視である。当然のごとくレガシィの日本での販売台数は激減。全盛期の10分の1くらいになった。しかし、北米ではちょうどいいのでバカスカ売れている。スバルは日本を切ってアメリカを取ったのだ!

 しかもこのアウトバック、見た目はゆったりカッコいいし、乗り味も大らかで実にイイ。私は現行スバル車の中で一番好きである。つまりスバルは、一番いいクルマをアメリカ様に献上したのだ。これ以上の裏切りがあろうか?

鬼編集者の命令で北米市場重視のスバル車批判を試みました

クロスオーバー7は3列シートのミニバンですが、パッと見は背の高いステーションワゴン? アウトバックと同じエンジンでも173馬力となぜか2馬力控えめ。シートのスエードの手触りがいい感じです。価格は275万4000円

 一方、この度投入されたエクシーガ・クロスオーバー7。純粋な国内専用車だが、見た目も中身も実にショボい。ベースのエクシーガは7年前に作った販売不振のミニバンで、それをSUV風に焼き直して売り出すとはヒドイじゃないか。この洗練とは無縁の古臭いスタイリング。使い古しのドンガラ。エンジンは、レガシィと同じ水平対向4気筒の2.5リッター。すべてがお下がりで構成されている。もはやスバルは日本市場から撤退するつもりか!? 本土を捨てるのか!? どうでしょうK様、これでまた炎上しますかね?

※【次回】「カッコはともかくクロスオーバー7の乗り心地はレガシィ・アウトバックより上!」に続く nikkan-spa.jp/886299

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com





おすすめ記事