「福島産」を積極的に買う70代女性
―[放射能08]―
◆食品の放射能数値を公開したほうが消費者に信頼される
その商品が何Bq/kgだったかをきちんと表示しているのが、カタログハウスの店・新橋店。カタログハウス社長の斎藤憶良氏はこう語る。
「もともと当社ではコメの産直販売をしていまして、福島県のコメ農家とのつながりが15年間ありました。その農家さんを応援したいということで始めました。消費者のなかには『福島県産』というだけで買わない人がいる。でもそれはしょうがないですよね。情報が公開されていないのですから。そこで、福島県産でも安全なものであることを証明するため、8月26日から日本製(応用光研製)の放射能計測器を導入、世界的にも厳しいウクライナの基準を一応のラインとして販売しています」
さらには、ウクライナ基準を超えた場合でも販売しようと考えているという。
「まだそれほど汚染された作物は入ってきていませんが、もし基準値を超えた場合でも販売しようかと思っています。そのことをきちんと伝えたうえで、納得して買ってもらえればいい」
斎藤氏は「おおむね消費者の反応はいい」と言う。驚いたのは、放射能の数値がきちんと表示されている商品を買っていく人が少なくないということ。店頭にいた70代の女性はこう語った。
「私らはもう年だから、多少の放射能をとったって関係ない。それよりも、福島の農家を応援したい」
こんなに美しい心に守られている日本は、きっと復興できると筆者は思う。
取材・文/北村土龍
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