ひろゆき「自殺者を減らすためにするべきことは、Twitter規制ではない」
― ひろゆきのネット炎上観察記 ―
●安易なツイッター規制に、反発の声が続出中
座間市で9人が殺害された事件で、容疑者と被害者が接点を持ったとされるツイッターに菅官房長官が言及した。曰く、再発防止策として、ツイッターを規制対象として検討するとのこと。この報道を受け、ツイッター上では「政府の役割は、自殺願望を抱く人が増えないような社会づくり」「言論の自由を剥奪しようとしてる」など反発の声が多数上がっている。
世の中には、世間の印象と事実とが異なることが意外と多かったりします。
例えば、「最近の若者は切れやすい」みたいなことが言われたりしますけど、実際の数字を見てみる少年犯罪は昔に比べてかなり減少していたりとか。。。
そんなわけで、座間市で9人の遺体が見つかった事件に関して、菅官房長官の発言をきっかけに、ツイッターの規制が検討されるんじゃないかってことで、ネット上で反発を招いていたりするようです。
この発言をした意図は「自殺する人を減らしたい」ってことなんだと思うのですが、日本は’16年に2万984人が自殺しているわけです。ついでに書くと、日本の統計はアテにならないところがあって、実は年間6137人も「死んでるけど理由がよくわからない」って人がいたりするんですよね。この中には自殺している人もいるような気がするので、そうなると自殺者数は2万984人どころじゃない可能性もあったりするわけです。
そう考えると、ツイッターを規制して9人の自殺志願者をなんとかするよりも、もっと他の、例えばうつ病の人が仕事を休めたりする環境とかを準備したりしたほうが、よっぽど自殺者は減るんじゃないかとか思ったりするわけですよ。。。
それに、仮にツイッターを規制することができても、フェイスブックとか別のサービスにユーザーが流れちゃうだけなので、状況はあまり変わらないんじゃないかと思うんですよね。んで、そういう規制をすると、事なかれ主義の日本のサービス提供会社は面倒を抱えてまでやる必要はないってことで、さっさと逃げちゃったりもするわけです。LINEも上場するときに「したらば掲示板」とか手放してますしね。。。
日本では過去に検索エンジンをやることが微妙になって、日本独自の検索エンジンが壊滅してしまった歴史があったりしますし、コミュニティサービスもツイッターとかフェイスブックとか海外のサービスばっかりになっていたりしているんですけど、それって規制をしまくった政府の責任なんですけどねぇ。。。
※1.かなり減少
警視庁の調査によると、’15年に検挙・補導された刑法犯少年は、戦後最低の3万8921人。12年連続減少を記録している
※2.自殺者は減る
厚生労働省のHPによれば、’07~’08年における自殺原因・動機は、40%以上をうつ病が占めており、その数は毎年6000人以上に上る
※3.手放して
スレッド型掲示板「したらば掲示板」(旧「したらばJBBS」)は、’04年にライブドアが買収。その後ライブドアがLINEに買収されたため、同サービスもLINEのサービスとして運営されていた
※4.検索エンジンが壊滅
かつては「goo」や「infoseek」など日本独自の検索システムがあったが、著作権法の問題などから、日本に検索エンジン用のサーバーを置くことが微妙になり、これらの検索システムはグーグルのシステムを流用するようになった
【西村博之】
41歳。元ニコニコ&2ちゃんねるの管理人で、’15年に米国の掲示板サイト『4chan』の管理人に就任。フランス在住、たまに日本。「ジャッキー・チェン最新作の『ザ・フォーリナー/THE FOREIGNER』を観たんですが、彼らしい笑いがまったくなく、シリアスさが増して感じられるのでよかったなぁ、、、と思ったりする昨今です」
撮影/根田拓也西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
過剰な規制と事なかれ主義が、日本のネットサービスを殺す?
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