カーライフ

「BMWは後輪駆動が最高!」は無意味なこだわりなのか?

 守旧派カーマニアの担当Kです。BMWといえば、後輪駆動(FR)で直6エンジンが最高と信じてやまないのですが、昨今のBMWは、燃費がいいディーゼルエンジン車や前輪駆動(FF)車が増殖中。ついには「コンパクトハッチバックなのにFR」という、ライバルとは一線を画した1シリーズまでFFに。カーマニアしかこだわらないFFとFRの違いをざっくり説明します!
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NEW BMW1SERIES

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

なぜカーマニアという人種は後輪駆動車を愛してやまないのか? その深遠なる理由

 BMWは日本人にとって、最も現実的なアコガレのクルマ。スポーティでエリートっぽいのにベンツほど威張ってないという、最高の着地点です。  なのに中古車がとっても安い! 私は200万円台の中古BMW3シリーズを2台乗り継いでるけど、周囲は十分エリート扱いしてくれて、高速道路でも道を譲ってもらえて、走りも気持ちよくて本当にいいことづくめ! BMWサイコー!  が、BMWのなかでも1シリーズというクルマは、ずっと好きになれませんでした。だって不格好だったんだもん。  1シリーズがなぜ不格好だったか。その原因は、ヘッドライトの形がヘンテコだったとかいろいろあるけど、根本的には、コンパクトなハッチバック車にもかかわらず、直列6気筒エンジンも積めるFRだったからです。FRってのは、エンジンが前(Front)にあって、後輪(Rear)を駆動する方式のことね。  ちなみに現在は、エンジンが前(F)、駆動も前(F)のFF方式が主流。雪道でタイヤチェーンを巻くべきタイヤは、9割がた前輪なので気を付けましょう。
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BMW1シリーズは334万円(税別)~。上の写真はM135i xDriveで、最高出力306馬力の2リッター4気筒ターボエンジンを搭載する4WD車(FFベース)。お値段は630万円(税別)。ちなみに630万円あれば3シリーズの真ん中ぐらいのグレードも買えます

 直6も積めるFRのハッチバック車がなぜ不格好になるかというと、次のような深遠な理由があります。  そもそもFR方式はエンジンを縦に置くが、長い直6エンジンを縦に置けるだけのスペースを取ると、自然、車体の鼻が長くなる。それでお尻(トランク部分)の出っ張りがないと、横から見た時、長い鼻のバランスが取れなくなるから。
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カーマニアはFR方式が好きなのです
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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