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こんなキャバクラではもう働かない。キャバ嬢たちの怒りの声

―[キャバ嬢に訊け]―
 たとえ暗いニュースが続こうが、常に笑顔を絶やさない人がいる。それはキャバクラ嬢たちだ。  そんな彼女達が「あの店ではもう働きたくない……」と声をひそめる店がある。そこで、「こんなキャバクラではもう働きたくない!」キャバ嬢の怒りの声を聞いてみた。

キャストの給料までぼったくる店

大阪のキャバクラで働く女性

写真:大阪のキャバクラで働くキャバ嬢

 まず、話を聞いたのは以前、大阪梅田のぼったくりキャバクラで働いていたというユイさん(仮名・20歳)。 「最近は警察の摘発もあり、TAXやサービス料ナシのぽっきり価格で営業する店も増えているのに、以前働いていた店はサ税+35%と、まあまあなぼったくりでしたね。料金は8000円と界隈では少し高めだったのですが、そこからさらに女の子のドリンク代がかかるんです。お客さんのお会計は毎回5万~7万円ほどなのですが、そこまで法外なぼったくりではないので警察沙汰になったことはなかったです……。  でも、何よりひどかったのはお給料が日払いなのですが、同じ時間に働いているのに金額が毎回違うこと。求人には時給3500円~と書いているのに、計算すると時給2000円にもならなくて。店長に聞いても『税金が引かれている』の一点張り。  初めて働いたキャバクラだったのでよく分かっていなかったのですが、引かれるのは所得税分の10%程度だそうですね。さらにおかしいのは19時から朝7時まで営業していることで、しかも黒服がいないのでキャストがお酒を運ばされること。いま思えば絶対に無許可営業っぽいのに、そんな店が今でも普通にありますからね……」  2025年の大阪・関西万博などに向けて、ぼったくり店の摘発に力を入れている大阪。その甲斐もあってぼったくり店は激減したが、ユイさんのいうように「プチぼったくり店」はまだまだ横行しているという。

まるでマルチ商法…店の決起集会

 続いて「こんなキャバクラでもう働きたくない……」と語るのは、都内のキャバクラに勤務するエリカさん(仮名・26歳)。数年前に上京してきたというエリカさんは、初めて働いた地元の某グループのキャバクラでこんな目に遭ったという。 「うちの地元は田舎でキャバクラはその1店舗しかなかったんです。でも、常に混んでいるので『こんな田舎でもお客さん来るんだな』と思っていました。入店して1か月ほどした頃、先輩ホステスに『明日、店のみんなで出かけるんだけれどエリカちゃんも来ない?』と言われたんです。私はてっきり入店の歓迎会でもしてくれるのかな? と思い、店休日だったのですが先輩の誘いに付いていくことにしました。  そして翌日、わざわざ電車で来たのは県の中心地にある500人は収容できそうなホール会場。しかも、中にいるのは全員キャバクラ嬢。一体、何が起きるんだろう? と思っていると、どうやら系列の店のキャストを全員集めての決起集会だったんです。 賞状 全店舗の売上を発表して、成績が良かった店には表彰状が送られたりして、まるでマルチ商法のような集会に『怖!』と思っちゃいましたね……。それよりも怖かったのは、誘ってきた先輩ホステスが表彰式に一喜一憂して拍手なんかしていたりして。帰りに『私達ももっと頑張ろう!』と言われたのですが、先輩の目は完全にイッちゃってました……。  その後、その先輩は店長に色恋管理されていることが分かり、このままだと自分も洗脳されかねないと怖くなり、すぐに店をやめて東京に出てきました。今でも大手グループの店では怖くて働けないですね(笑)」
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元ヤンキャストと元ヤン店長の大乱闘で…
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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