SEXにまつわる研究・試験が日進月歩で進む一方、世の中にはまだまだエビデンスのない曖昧なSEXテクがはびこっているのも事実。
医学博士の富永喜代医師と、経験人数1万人超という多大な経験と膨大な性知識を併せ持つAV男優・しみけんが、世に蔓延する“間違いだらけのSEX観”について語り合った。
多くの人が勘違いしている間違ったSEX観とは?
ペニスの大きさよりも、相手が求める部位に当てることが大事
しみけん:先生のYoutube、いつも拝見しています。医師として、「多くの人が勘違いしている部分」はどこにあると思いますか?
富永:よく「アソコや乳首が黒い女性は経験豊富だ」と言われますよね。でも、
性器の色は生まれ持ったメラニン色素によって決まるので、経験数はまったく関係ありません。でも、そこを気にしてクリニックに足を運ぶ方が後を絶たないのは残念ですね。しみけんさんはどうですか?
しみけん:僕は
“巨根信仰”は間違っていると思います。今も男性器を大きくするサプリなんかがよく売られていますが、
SEXでは大きさよりも相手が求めているところに当ててあげることが大事だと思っているんです。
富永:(拍手をしながら)おっしゃるとおりです。男性って性行為中の“無駄な動き”が多いと思うんです。
腟内の知覚神経はそれほど発達していませんから、男性側が『自分が気持ちいいから相手も気持ちいいだろう』と激しくピストンしたってさほど意味がない。それに、女性の腟は出産時に大人の拳が入るほどに拡がりますから、ペニスの大小の差なんて実は大した問題ではありません。サイズや激しいピストンにこだわるのではなく、女性器の準備が整った最適なタイミングで挿入することがオーガスムへの近道です。
加齢とともに増加する女性の性交痛を緩和するため、男性器を3段階に分けて挿入するメソッド。各段階で痛くないかヒアリングしながら次へと進むのがベストだ
しみけん:先生がおっしゃっていた
「ペニス3分割の法則」。今回初めて知ったんですが、僕も前から処女が相手の撮影で同じことをやってたんですよ。エビデンスがあると知って安心しました(笑)。初めてのコはなかなか心を開いてくれないのですが、心とお股の開き具合って比例することが多いんですよね。そんなとき
僕が女優さんに言うのは『ペニスを腟口に当てているときに腟を締めるような運動をしてほしい』って伝えるんです。すると、“SEXをしている”と認識し、意識が腟に向かうことで少しずつほぐれてくる。濡れているからといって、いきなり挿入はやはりいけませんよね。
しみけん考案の体位「ロールスロイス」
もちろん、ペニスが当たる部分とクリを同時に刺激できるというメリットもあるんですが。
富永:体位の話でいうと、しみけんさん考案の「ロールスロイス」を見たときにすごく感動しました。
しみけん:えっ! なぜですか?
富永:挿入の深さを調節しやすいし、クリトリスも一緒に刺激できるからです。正常位やバック、騎乗位といった基本的な体位でも、
年齢を重ねてくると関節や筋肉が硬くなって苦痛に感じる女性は多いんです。あの体勢なら男女ともに無理がなく、素敵だと思います。
しみけん:嬉しいですね(笑)。これも体感なんですけど、
人って寝る姿勢をとると副交感神経が優位になってイキにくくなるのに対して、ロールスロイスのように上体が起きると交感神経優位になってイキやすくなるんじゃないかなって思って実践しているんですよ。