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「子煩悩なお父さん」を自称し、子育てを妨害する夫の実態とは

あなたは、子煩悩のつもりで妻を疲弊させている夫になっていませんか?

「妻が子どもに攻撃的なので守ってやりたいんです」

 DV・モラハラ加害者が、愛と配慮のある関係を作る力を身につけるための学びのコミュニティ「GADHA」を主宰しているえいなかと申します。  僕自身もDV・モラハラ加害者です。そのせいでたくさんの人を傷つけ、仕事や家庭が破綻寸前になり、ようやく自身の加害行為、それを生み出す加害的な思考・価値観を自覚しました。現在は日々自分の言動を改善しながら、妻と関係を再構築させてもらっています。  この連載では、僕自身の経験や当事者会での気づきを共有していきます。職場や家庭でモラハラに苦しんでいる方々、無自覚に加害を行っている方々の参考になれば幸いです。

 はたして、それは本当に子煩悩なのか

 GADHAでは毎月、メンバー同士での相談と回答が数百にも及びます。お子さんがいらっしゃる方も多く、「妻がいつも子どもに怒っているんです、可哀想に思えて仕方ない」といったような相談も目にします。 「うるさく叱られる子どもは可哀想だから、自分はそれを正さなければならないのでは?」 「妻のせいで子どもが不安定になっているのに、見て見ぬ振りをするわけにはいかない」 「自分は妻を攻撃してでも子どもを守るべきですよね?」  一見すると「子煩悩ないいお父さん」で、GADHAに参加している人のパートナーこそが加害者のようにも見えます。しかし、GADHAでは加害者の発言をそのまま素直に受け取ることはありません。  自分も含め、加害当事者の多くは「悪意」なく人を傷つけてしまうことこそが問題だからです。正しいことをしているように見えている時こそ、慎重に考える必要があります。  だとすれば、この相談の裏には何が隠れているのでしょうか?
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「パートナーの気持ちを尊重できない」父親は、その存在自体が悪影響
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DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる


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