潜入一筋25年のライターが“唯一断った仕事”「中国国旗を…」<漫画>
ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教など、数々の危険地帯の取材をして25年のフリーライター・村田らむ氏。先日出版された『禁忌(タブー)への潜入で見た残酷な現実』(竹書房)では、限りなくグレーに近いシチュエーションを含め、今だからこそ話せるヤバい現場のリアルが描かれている。過酷な環境でライター生活をスタートさせ、現在も幅広いジャンルで活動する村田らむ氏に、フリーランスの生存戦略と裏話を聞いた。
――本書は、らむさんがライターになった当初の取材を漫画にした作品で、現在のらむさんを形づくったと感じました。
村田らむ(以下村田):1990年末当時の雑誌連載をメインに、描けていなかったタブーなネタを漫画で描きおろしました。雑誌記事だと再販されないし、何か別の形にしたいなと以前から思っていて、今回出版に至りました。
――漫画でコミカルに描かれていますが、それでもゾッとするくらいハードでした。初期の取材を振り返ってみて、いかがでしたか。
村田:ちょっとネタバレになりますが、当時の記事で無理矢理やらされてる感を出していても、意外と楽しんでやっていたなと。編集から「やれ」と指示されてるのは3割ぐらいで、基本的に自分からやりたい企画を出していた。ただ、記事にアウトプットするときに、自分からやりたいっていうと読者が感情移入できないと思ったので(笑)。
――本書では、マルチ商法やドヤ街、暴走族、野生動物を食すといった内容がありましたが、本当にやりたくなかったものはありますか。
村田:暴走族はやりたくなかった。何も知らされずに編集に呼び出されて、本当に怖かったんで……。特攻服を着せられて街中で職質を食らうし、「後ろ、乗ってもらうから」と指示されて、単車を運転するのが明らかに中学生。そいつが猛スピードで対向車線を走るんですよ。グレーなことはいっぱいやってきたけど、これは本当に犯罪! コケたら絶ッ対死ぬ!って。
15年経過してもう時効だから話せますけど。僕のルポの、次号で同じような企画をやった関係者は、全員逮捕されていました。なので僕も実刑がついていてもおかしくなかったですよ。それは本当にザマアミロですが。ただ、生きているのが奇跡とまでは言わないけど、警察のガチなお世話にならずに済んだのは奇跡ですね。
意外と楽しんでやっていた
実刑がついていてもおかしくなかった
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