恵比寿といえば、合コンとグルメの街として知られる都内屈指の繁華街。また、ここ5年ほどはナンパスポットとして名高い恵比寿横丁(エビ横)の存在感が大きいだろうか。そんな「出会いの交差点」とも言える恵比寿だが、近年はどうも居心地が悪い。エビ横は強気の料金設定をする店が増え、若者客が目立つ。かつてのように、うまい料理に舌鼓を打ちつつ、美女との出会いに酔いしれる、大人の空間はそこにはない。
そんな絶望感に打ちひしがれていた折、チャラリーマンのS氏(36歳・恵比寿在住)に呼び出されて向かったのは、エビ横とは逆の西口にある一軒の雑居ビルだった。 「最近、恵比寿で合コンしても結果出てないでしょ? その後にヤケクソになってエビ横でナンパしても消耗するだけ。こっちで飲み直しましょうよ」(S氏)言われるがままビルの階段を下りていくと、そこは昭和風の看板を掲げる店が林立するスナック街だった。一軒の扉を開けるS氏。
「いらっしゃいませ! あ、ご紹介ですね? どうぞ!」黒髪の上品な美女が出迎えてくれる。なんとムーディな空間。恵比寿にこんな店があったのか!
なんでもこのビル、約40年前から地元民に愛されるスナック街だったが、ここ2年ほどで年配のママたちが引退し、店舗の新陳代謝が進行。客層にも大きな変化が起きているという。今回訪れた「NEON」も、昨年9月にオープンしたばかりだ。
「最近は30代のOLが一人で飲みにくることも。思わぬ出会いがあるかもしれないよ」(S氏)
スナックの進化形「エビスナ」
カウンターに立つ女性は、スナックのイメージをいい意味で覆す美女揃いだ。黒髪美人のレイさんは、銀座のホステスを経てこちらのスナックのママになったという。「最近コリドー街は騒がしいし、エビ横も入りにくくなってますよね。落ち着いて飲みたいなら、こっちに遊びにきてください」
モデル体形のエナさんは、ロンドン生まれの26歳。とてもスナックのカウンターに立つ女性のスペックとは思えない。 「お客としてこの店に来てたんですけど、お酒が好きなのでここに立っちゃいました(笑)」ママや店内の雰囲気も含め、「エビスナ」はスナックの進化形とも言える存在だ。かつて、エビ横でフラれたあの夜を忘れるように、ママと「慟哭」を歌う私であった。
【NEON】
住:東京都渋谷区恵比寿南2-3-3 第一恵比寿マンションB1
電:03-6412-8400
営:21時~LAST
休:日・祝
料:チャージ3000円、ドリンク800円~ 会員制。初来店時は要TEL