緊急事態宣言がとうとう解除!銀座ママの再出発に密着

 ようやく緊急事態宣言が解除されて、友人と数か月ぶりに酒を酌み交わしたスパムです。新型コロナの影響で筋トレに目覚めたという彼は、会社を辞めてパーソナルジムを開業。新しい居場所を見つけた友人の背中を見送り、夜の銀座を久しぶりに歩く。

 すると、宣言下で見かけなかったドレスや着物を纏った女性たちが同伴の待ち合わせをしている。緊急事態宣言中は休業していたお店も多く、働く場所を失っていた夜職の女性も増えていた。

 彼女たちはどう過ごしていたのだろうか。宣言が明けて、仕事復帰したという銀座のママに会いにいってみた!

俺の夜

和装美人のめぐみママ。20代からホステスとして働き、銀座を知り尽くす。同店では20代を中心に7~8人が出勤している

久しぶりの銀座での営業はアドレナリンが出てきます

 今回、訪れたのは銀座の見番通りにあるビルに店を構えるクラブ「梟(ふくろう)」だ。白を基調にした店内はボックス席に加えて、バーカウンターもあり高級感が漂う雰囲気。そこに「いらっしゃい」と美しい着物姿で迎えてくれたのは、めぐみママ。こちらは今年4月にリニューアルオープンしたが、6月には休業に。約4か月ぶりの再開だ。

俺の夜めぐみ「だからもう、解除初日は久しぶりにお客様と会って、アドレナリンが出っぱなし。その翌朝は久しぶりの二日酔いで『戻ってきた~』っていう感じで(笑)」

休業中はキッチンカーでまぜそばを売る日々

 乾杯しながら、笑顔で話すママ。だが、休業中は働く場所を失い、別の仕事にも挑戦。キッチンカーを借りて、一人でまぜそば屋をオープンして生計を立てていたとか。

俺の夜

落ち着いた店内には、カウンター席もあるので一人でも通いやすい

めぐみ「借りたキッチンカーがマニュアルだったので、自動車教習所にも通い直しましたよ。汗だくになって働いても収入は4分の1くらいにしかならなくて、大変でしたね。ただ、オフィスビルの前で営業していたら某企業の部長さんから“寸志”って書かれた袋を渡されて、見ると中には3万円も……驚いたけどうれしかったです」

俺の夜

明朗会計で銀座界隈のクラブでもリーズナブルな料金で遊べる

 職を替えても、客の心を摑む接客術はピカイチだった様子。また、生活面もかなり変化が起きたとか。

めぐみ「夜は外出せずに20時ぐらいから一人晩酌を始めて、酔うのも早いから22時すぎには就寝。それまで、毎日夜中の3時にベッドで気絶していた。結果的にかなり健康的な生活を送っていたので、寿命は延びた気がしますね」

人と人とが支え合ってるのが、銀座の面白さ

 人間味の溢れるママの元に通ってくる常連が多いのも納得だ。

めぐみ「こういう状況で人付き合いが減って寂しいのか、みんな返信が早い(笑)。なかには、コロナに感染して入院してた方もいて、『生きていてよかった。また行くよ』って連絡くれて。こうやって人と人とが支え合ってるのが、ほかの街にはない銀座の面白さかな」

 ようやく緊急事態宣言も明けて、ママとしてもリスタートする。

俺の夜

2年前に「梟」はバーとして銀座にオープン。その後、現住所に引っ越し、今年4月にクラブとしてリニューアルした

めぐみ「夜職はもうやめるか悩んだ時期もあったけど、再開できて自分のいるべき場所はここだなと。まだまだお客様は少ないし、寂しさはあるけど、年末には飲食業界に活気が戻ってきて、コロナ前の銀座の風景になってほしいです」

俺の夜

シャンデリアなどインテリアにもこだわる

 どんなに状況が変化しても、銀座には変わらない魅力がある。ママの新たな決意を聞いて、応援したくなったスパムでした。

【CLUB 梟 FUKUROU】
住:中央区銀座8-7-22 第23ポールスタービル3FC室
電:03-6280-6550
営:20~24時
休:土・日曜
料:セット料金1万5000円/90分、サービス料30%、TAX10%(初回ボトル代は別途)

撮影/菊竹 規

スパム 主に池袋界隈に出没。重度のタイツフェチで、レギンスに対しては反対の姿勢をとる
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