BABYMETALを769日間追いかけた男が語る――ベビメタは日本そして世界市場をいかにして獲得したのか
アイドルとヘヴィメタルを融合させた女性グループBABYMETAL(通称・ベビメタ)の勢いが止まらない。
先日リリースされたアルバム『METAL RESISTANCE』は、全米ビルボードチャートで坂本九以来、実に53年ぶりとなるTOP40内にランクイン。さらに、イギリスのウェンブリー・アリーナで日本人初のライブを行ったことも話題になった。
2014年にはレディー・ガガのライブのオープニングアクトを務めるなど、世界の名だたるアーティストとのコラボも実現している彼女たち。いまやBABYMETALは世界からもっとも注目されている日本人アーティストと言っても過言ではないだろう。
BABYMETALは、もともと2010年にさくら学院というアイドルグループから派生して結成された3人組ユニットだ。結成当時、どれほどの人が今日の彼女たちの世界的ヒットを予測できただろうか。
これまでのベビメタの軌跡を769日間追いかけ、その魅力に迫った『BABYMETAL 追っかけ日記』(鉄人社)の著者であるカネコシュウヘイ氏に、ベビメタブームの背景について話を聞いた。
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――ベビメタ人気が爆発しています。全米ビルボードチャートでのTOP40入りをきっかけにして、ネットニュースでは彼女たちを取り上げた記事をよく見かけるようになりました。BABYMETALは、アイドルファンではない層にまで人気が拡大していると捉えてよいでしょうか。
カネコ:そうですね。ベビメタのファンは、アイドルファンとも、メタルファンと括ることもできなくて、もはや「ベビメタファン」としか言いようがないほど独自性のあるものになっています。
――いつから独特のファン層が形成されたのでしょうか。
カネコ:やはり2014年3月の日本武道館ライブが大きな分かれ目だったと思います。そのとき、テレビのエンタメコーナーで彼女たちが取り上げられたのを覚えています。それでベビメタを知った人も多いでしょう。
ただ、当時はベビメタをクールジャパンの文脈に落とし込んで紹介するケースがほとんどでした。そんなテレビの取り上げ方に対し、違和感を抱くベビメタファンも少なくありませんでしたね。
――なるほど。書籍内でも「今日はあっちで明日はこっちでと、さながら金太郎飴のように同じ切り口で伝えられる情報にだんだんと嫌気がさしていた」と書かれています。ヒットしているけどよくわからないものは、既存のフレームに落とし込んで紹介するのはメディアの伝統芸なのかもしれません。
では、具体的にファンの年齢や音楽嗜好はどのようなものでしょうか。
カネコ:テレビやYouTubeで検索して一発でハマったという人が多いです。また、昔メタルを聞いてたという50代の人も目立ちますね。
ベビメタの人気はなぜ爆発したのか
『BABYMETAL 追っかけ日記』 一人のアイドル好きの男性が、身も心も仕事もベビメタ一色になっていく |
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