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ジャパニーズメタル専門雑誌・ムックの歴史を振り返る シーンを活性化させたのは『ヘドバン』!?

<文/山野車輪 連載第27回>

今、日本のヘヴィメタルが熱い!


『BURRN! JAPAN』『ロッキンf』『ヘドバン』など、ジャパニーズメタルを特集した雑誌およびムック、ディスクユニオンで無料配布されていたカタログ冊子など(筆者撮影)

 近年、なぜか日本のヘヴィメタルが盛り上がっているように見える。BABYMETALやX JAPANを代表とする若手やベテランバンドの海外での活躍が原因か? それとも嬢メタルやラウド系アイドルのムーヴメント? つーかそもそも気のせい?

 筆者は昨年(2017年)9月から、本連載「ジャパメタの逆襲」を書かせていただいているのだが、そんな立場の筆者も、あまりよくわかっていない。

 筆者が本連載を企画したのは、人生の「終活」のためだ。80年代から、ジャパメタを30年聴き続けてきたのだから、死ぬ前に“ジャパメタ”に関して言いたいことを書き記しておこうという目的だった。お読みくださっている方が多かったことで、本連載は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)として書籍化され、5月1日に発売された。ありがとうございます。

 タイトルは、畏れ多くも、伊藤政則著『ヘヴィ・メタルの逆襲』(新潮社、1985年)をオマージュさせていただいた。氏は、日本を代表するヘヴィメタル評論家である。同書では、黒魔術とブリティッシュロックの出会いや、ヘヴィメタル形成の歴史、マスメディアでのハードロック弾圧などが書かれており、洋楽メタラーは必読と言える。

 ところで本連載の担当編集者は、Hi-STANDARDのギタリスト・横山健氏の大ファンでもあり、『横山健 随感随筆編』という書籍も手がけている。音楽メディアとは関係ない一般の出版社で、このような音楽好きの編集者との良縁があったことも、執筆にあたっての大きな要因だった。これはもはや、「運」ではなく「運命」だったのかもしれない(笑)。

ヘヴィメタルと国産ポップカルチャーとの独自融合に着目


 さて、拙著『ジャパメタの逆襲』では、日本のヘヴィメタルの歴史を綴っている。論ずるにあたっては、国産ポップカルチャーのメインストリームであるアイドルやオタクカルチャーを無視するわけにはいかない。

 とくに日本のヘヴィメタルは、黎明期からそれらとのクロスオーヴァーの関係が続き、2018年の現在、切っても切れない関係となっている。NOVELA、BOWWOW、LOUDNESS、ANTHEMなどのレジェンド級バンドがアニソンを手がけ、以降のミュージシャンも、至るところでアニソンやアイドル・シーンとの活発な活動が見られていることは、これまで述べてきたとおりだ。今回、メタル系メディアが触れてこなかったこの点にメスを入れて、本来語られるべきジャパメタの歴史を構築できたので、気分は爽快だ(笑)。

 私のプロフィール欄に、拙著について「本連載を大幅に修正・加筆してまとめた」との説明がされているが、事情はちょっと違う。音楽的に言えば、既発シングルを集めてアルバムにまとめたのではなく、最初にコンセプトアルバムとしてのテキスト素材があって、そこから順不同にシングルカットしていくというカタチだった。なので、コンセプトから距離があるネタ(保守本流ジャパニーズメタル、スラッシュメタル、JAPプログレなど)は、後回しになっている。完成形となる拙著『ジャパメタの逆襲』では、これまでにアップされてきた各テーマを適切に配置しているので、これまで連載してきた各々の回が、大きな物語の部品の1つだったことが、お分かりいただけると思う。

 さて、前置きはほどほどにして、今回は、日本のヘヴィメタルを扱う専門誌およびムック類を紹介させていただこう。

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ジャパニーズメタルと言えばこの雑誌!

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!





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