【中国】ヤクルト買い占め客が殺到中。ガン予防、美白、豊胸etc.の効能デマで
ドラゴンガジェット編集部】
ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。
中国で今、ヤクルトが爆発的な人気で、品薄状態になっている。大陸では原材料が微妙に異なったり、偽物や水増しされた粗悪品も多いため、香港で販売されている正規品を求める人民が殺到しているというのだ。
香港メディアの報道によると、香港ではヤクルト買い占めが起きており、同地で約85円で販売されているヤクルト(5本セット)が、大陸では130円で転売されているという。日本のヤクルト本社のHPによると、日本での価格は175円なので、それに迫る勢いだ。香港のあるスーパーでは、今週に入って1日約2500本のヤクルトが転売ヤーによって買い占めされているという。
それにしても、「なぜヤクルトが人気なの?」と思う読者も多いだろう。広州市に住む日本人ビジネスマンは解説する。
「最近、ヤクルトの効能に関するデマが急速に広まっているからです。なんでも、飲んだり、塗ったりすることでダイエットになり、ガンを防止し、豊胸効果まであるというのです。陶宝網(中国のネットオークションサイト)では、香港からの並行輸入品が高値で取引されています。ついこの間、街の美容品のショップで1本30円くらいで売られているのを見ましたよ」
試しに陶宝網で「益力多(ヤクルトの中国名)」と検索すると、出るわ出るわ……。どれも5本セットが120~130円前後の値段で取引されている。さらに説明文には、さきほどの証言のように、真偽不明の“効能”が書いてある。以下、それらを意訳してみた。
1:緑茶粉にヤクルトを混ぜて飲む⇒減肥、ダイエットに効果あり
2:洗顔後、瓶6分の1の量のヤクルトをコットンに垂らして顔に塗る⇒美白効果あり
3:緑豆粉とヤクルトを混ぜて顔に塗る⇒角質除去、ニキビ予防、脂分除去に効果あり
4:パパイヤをカットし、ヤクルトに浸して食べる⇒ガンの予防に効果あり
もちろん、ヤクルトに含まれる乳酸菌は健康に良いため、多少の効果はあるのかもしれないが、ここまでくれば眉唾ものだろう。迷信に近い民間医療信仰がまだまだ根強く残る中国ならではの騒動だ。ひと昔前は中国人観光客による粉ミルクの買い占めが話題になったが、今後、日本でも彼らのヤクルト大量買いが起こるかもしれない。
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