「おじさんなのにかわいい」「母性本能をくすぐられる」と年上のおじさんを好む女性は一定数いる。ところが、そういったおじさん好き女性の話を鵜呑みにして、彼女たちが好みそうな“かわいい行動”をとろうものなら、「キモい、痛い」と罵られる。「かわいい」と「キモい」の境界線は一体何なのだろうか？ 　Kさん（22歳女性・事務職）は職場の上司ついて、 「45歳の課長が急に博多弁になったり、ほっぺを膨らましたりするんです。全然かわいくないし、イライラします」と話す。Kさんは年上のおじさま好きだが、課長のぶりっこ行動には全く心が動かず、むしろ腹立たしく思っているそう。 　その理由について、 「ギャップですから、ただぶりっこされるばかりじゃ全く惹かれないです。頼れる面やプライドの高さを見てから、ヤキモチ焼きみたいな地味にかわいい面を見たら心が揺れると思いますけど」と、語ってくれた。 　また、Mさん（30代女性・メーカー）もおじさんのぶりっこ行動にうんざりしているという。 「得意先の40代男性が会話中にいきなりアイドルの踊りをワンフレーズ披露したり、語尾に『～だっちゃ』とつけたり。気持ち悪過ぎ……」と話すMさんの彼氏は、なんと50代前半。かなり年上だが、彼氏が自分のことを名前で呼ぶのはかわいいと思えるらしい。 　Mさんは、 「面白ければ、気持ち悪くない。『～だっちゃ』とかスベってるじゃないですか。あとは、容姿ですね。私の彼氏はスラッとしてるうえに顔は国分太一風でかわいいので」と、ノロけまじりに分析してくれた。 　ほかにも、以下のような意見が複数人から寄せられた。 「年上おじさんのかわいい面は付き合ってからじゃないとそそられない」（30代女性・美容師、ほか4名が同意見） 「かわいい行動に母性をくすぐられて好きになるんじゃなくて、好きになったから、くすぐられる。好きでもないおじさんのかわいい行動にはもともと興味がない」（20代女性・アパレル、ほか7名が同意見） 　つまり、女性たちが「おじさんがかわいい」と感じるのは、あくまでも相手が「好き」だという気持ちがあること前提なのだ。冒頭のKさんやMさんも、彼氏のぶりっこはよくても、上司や取引先の男性についてはこき下ろしている。おそらく、もしKさんやMさんの彼氏が、ほっぺを膨らませたり、「～だっちゃ」と言ったりしたら、「かわいい」と認定するのだろう。おじさんの「かわいさ」はオトす道具に非ず。いくら、年上のかわいさに母性本能をくすぐられる女性が世の中に多くても、それが直接的におじさん需要の間口を広げているわけではなかった。「※ただしイケメンに限る」ならぬ、「※ただし彼氏に限る」なのである。　＜取材・文／日刊SPA！取材班＞