公務員や教員は認知症になりやすい!?
老後への不安から、貯金に励んでいる読者は多いだろう。だが、老後の幸・不幸を左右するのは当然ながらカネの問題だけではない。なかでも深刻なのが「独居老人」問題だ。ぼっち(孤独)、貧乏、ボケ……この「3B」が揃ったとき、老後が限りなく悲惨なものになるのは疑いない。30代、40代のうちに危険因子に気づいておけば、軌道修正もきっと可能だ!
◆あなたは将来……認知症になる!?
「認知症」の3文字。これこそ、多くの人がもっとも恐れている事態ではないだろうか。認知症専門医として月に1000人近くの患者を診察する長谷川嘉哉氏によると、認知症になりやすい職業は「公務員や教員」なのだという。頭を使う仕事はボケにくいというイメージがあるが……。
「アルツハイマー型の認知症では、海馬が萎縮することで記憶力が落ちることが知られています。記憶力が落ちると、感情が不安定になり、感情を支配している扁桃核も同時に萎縮する。逆もまた然りで、強い感情を表現して扁桃核を刺激することで、海馬も刺激されます」
つまり、日ごろ感情を豊かに表現している人は、それ自体が認知症の予防になっているわけだ。一方、公務員や教員というのは、感情をあまり表に出してはいけない人々。それゆえに認知症になりやすいと考えることができる。
「ずっと脳に与えられてきた刺激が突然途絶えるのも、認知症のトリガーになります。その意味で、仕事に定年がある人は要注意」
かように、脳は絶え間ない刺激を求めている。日常生活の中でも、「お金の管理」は、「貯金が増えて嬉しい」「節約しないとピンチ」などの感情を伴う。「料理」は、食べる人を喜ばせたいという感情に加えて、複数のメニューを同時進行で調理する複雑さで、格好の脳トレに。これらをすべて奥さん任せにしている旦那さんは、奥さんより20年早くボケるかも!?
「読書や映画観賞によっても扁桃核は刺激されますが、重要なのはその刺激をアウトプットすること。感想を人に話すのもいいですが、ブログに書くのはさらに効果的。ブログを書くことの利点は、次なるネタ探しのためにインプット用のアンテナが立つことで、このスパイラルが脳に効くんです。ツイッターでさらっと流すだけでは、こうはいきませんよ」
アルツハイマー型認知症の原因には、糖尿病も挙げられており、糖質の摂りすぎは赤信号。うどん×稲荷ずしなどの「糖質ON糖質」は、ダメ絶対!
<老後ボケ(認知症)危険度TEST 当てはまる項目にチェック!!>
●公務員など、感情を表に出しづらい仕事だ +1点
●前例主義でマニュアルを大切にするタイプだ +1点
●家計の管理を妻に任せっきりにしている +1点
●肉をあまり食べない +1点
●ラーメンにはチャーハンをつけたい派である +1点
●仕事はデスクワーク中心&運動する習慣がない +1点
●家族に認知症になった人がいる +1点
●自営業orフリーランスである -1点
●料理をするのが好きだ -1点
●ブログを書いている -1点
⇒5点以上は赤信号!
【長谷川嘉哉氏】
医学博士。神経内科が専門の認知症専門医。医療法人ブレイングループ理事長。著書に『公務員はなぜ認知症になりやすいのか』(幻冬舎新書)ほか
― あなたは大丈夫?恐怖の[老後検定]【5】 ―
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『公務員はなぜ認知症になりやすいのか』 認知症専門医が教える画期的予防法 ![]() |
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