更新日:2017年11月14日 14:40
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オヤジ向けサービス「映画の夫婦50割引」を悪用!?

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その26 ―

オヤジ向けの便利サービス「映画の夫婦50割引」 これぞオヤジと若い女性向けのサービス、まさに天からの授かりものとして、甘んじて受けたい割引制度だ。  大手の映画館で行っている「夫婦50割引」なるものは、夫婦で来てどちらかが50歳以上なら、相当額割引になる。例えば、1人1800円の料金なら、1100~1300円ほどに。2人で通常3600円の出費が、2200~2600円になる。最近の映画料金は高いですから、これぐらいサービスしてもいいんじゃないかと思う。  多くのロードショーでこのサービスを適用しているが、老夫婦らしきカップルをあまり見たことがない。「アナと雪の女王」にも夫婦50割引があったが、この映画で娘と母親ならわかるが、夫婦で観る映画なのかは、はなはだ疑問だ。だいたい50歳過ぎた夫婦が見る映画って「おくりびと」とか、その類いに限られてしまう気がする。  実際のところは、多くの50歳過ぎたオヤジが若い女性を連れて、この夫婦50割引を利用しているのだ。私も何度か利用させてもらったが、確認するのは免許証の類。それを入り口で提示を求められた場合のみ見せればいい。別に戸籍を見せろとか、本当に夫婦なのかは問われない。婚姻関係は内縁の妻だとか、後妻をもうけたとか、養子縁組したけど実質夫婦だとか、プライベートな分野に踏み込むので、戸籍のみで証明できる問題でもない。しかもプライバシーの侵害にあたるので、それ以上近寄れない世界だと思う。そんな諸事情もあるが、実はオヤジ向けの粋なサービスだと、勝手に理解させてもらっている。  50歳をちょうど過ぎたあたりからよく利用しているが、その頃はまだ若く見えて、毎回年齢確認を求められていた。ところが最近はそんなことすら、問われなくなったのが、ちょっと悲しい。  連れて行く女性は、別に誰でも構わない。ただ冗談で「今から夫婦ということで入るから、何か聞かれたら、ちゃんとアナタとか、パパ~とかいえよ」と言っておくと面白い。腕なんか組んで、あたかも夫婦を演じるんだが、どうみてもお前ら、オヤジとキャバ嬢だろう。まあそれはご愛嬌ということで。  この話を書くと制度の悪用という人もいるかも知れない。個人的にはそうは思わない。だいたい民間企業が行っている割引サービスなんだし、ルール上はちゃんと「どちらかが50歳以上であることが条件」を守っているから。夫婦うんぬん言うのは、あくまで建前と解釈したい。
木村和久

木村和久

 それよりもこの「オヤジと若い女性」のカップルがもたらした、副産物を考えると余りある。なにしろ今まで日本のGDPを押し上げて来たのは、この「オヤジと若い女性」のカップルたちだ。こいつらがいなければブランド品なんて売れないし、シャンパンから高級レストランから、高級ホテルから、そんなものの利用は半減するだろう。映画業界にしては、なかなかいいサービスだと思う。これをモデルケースにして、ほかの業界にも「オヤジ割」を普及させたい。  例えば高級フレンチレストラン、どちらかが50歳以上のカップルなら、3割引とかね。ここは石田純一さんに、もう一度再登板していただいで「オヤジと若い姉ちゃんは文化だ」と、言ってもらいますかね。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦 <Photo by flickr of we are dc
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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