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巨大仏に魅せられて…大仏ハンターが指南「巨大仏巡礼」のススメ

 現代の街中に突如現れる100mを超える巨大な仏像、その瞬間遠近感が狂い、まるで異郷に迷い込んだような感覚に襲われる――。そんな「巨大仏のある風景」ばかりを切り取った、写真集『巨大仏巡礼』(扶桑社刊)が話題を呼んでいる。  掲載された巨大仏は65体以上。豊富な写真で彩られた写真集でもあり、見学(この本ではそれを”巡礼”と呼ぶ)の仕方や巨大仏ならではの見方が書かれたこの本は「日本初の巨大仏ガイドブック」として読む読者も多い。著者で、大仏ハンターのクロスケさんに、この春訪れるべき「巨大仏」を聞いた。 ◆体長120m!巨大仏界の四番バッター・牛久大仏(茨城県)

突如現れる、牛久大仏

 茨城県にある牛久大仏はその名の通り「大仏」ですが、大仏の定番である「坐像(座っている形)」ではなく背筋を伸ばして立っています。大仏が立っているだけでも凄いのに、あげくに身長120mと青銅像では世界一の大きさを誇りギネスブックにも認定されている大仏さまです。牛久大仏の手のひらに鎌倉の大仏がすっぽり収まる大きさなんです。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=805870  凄いのは大きさだけじゃない! 胎内拝観といい大仏の内部を見学することができるのですが、そこは極楽浄土をイメージした”あの世”の世界が現れるんです。あの世と言ってもお化け屋敷に代表される地獄ではなく、仏様がいる豪華絢爛な眩い世界というのが、とんでもない。極上のエンターテイメントとして成り立っているんです。 <データ> 寺院 浄土真宗東本願寺本廟 牛久アケイディア 牛久浄苑 高さ 120m 建立 1989年 構造 鉄骨造 カーテンウォール工法 ◆「No.1坐像」日本一だらけの大仏様・越前大仏(福井県) ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=805874

No.1坐像・越前大仏

 大仏の多くは座っている像が多いのですが、なかでも福井県にある越前大仏は「No.1坐像」の称号を持っています。その大きさ17mはインドア大仏(境内などにある大仏)では日本一の大きさですが、一番大きな大仏が鎮座している大仏殿ももちろん一番。そればかりか「日本一高い五重塔」や「日本一大きな山門」など、ガリバーの世界に迷い込んだような巨大建築物だらけのお寺。  その中心に座る越前大仏は毘廬舎那仏(びるしゃなぶつ)と呼ばれる宇宙をつかさどる仏。静かに鎮座するその姿を間近で見上げたとき、全身から発せられるオーラが降り注いできます。「大仏の魅力」を存分に浴びることができる大仏様です。 <データ> 寺院 臨済宗 清大寺 高さ 17m 建立 1987年 構造 鋳物 ◆定番スタイルが巨大化・鳥居観音(埼玉県) ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=805906

山中のテーマパーク・鳥居観音

「鳥居」と聞くと神社を連想しますが、埼玉県の奥座敷「名栗」にある巨大霊場がすさまじい。その山頂に建つのが「救世大観音」といいその高さ33m。「33m……ちょっと小さいのでは?」と思うかもしれませんが、33mの像が山頂に3体も並んでいるのだから仰天します。  仏像にはいろいろな”フォーメーション”があり、なかでも法隆寺の釈迦三尊像に代表される「三尊像」と呼ばれる”定番スタイル”があるのですが、そのスタイルを踏襲しつつ、巨大にしてしまったのだから恐れいります。  また、大観音までの参拝の道すがらも、とにかく目を引く個性的な仏教建築が次々に登場し、いつになったら大観音に到着するのか不安になるほど。山頂に建つ三尊像を見上げたとき、「登るのはちょっと大変だな」と思うのですが、車で足元まで行ける自動道が完備されているのも嬉しい。さらに、麓の本堂には「ケニーズ・ファミリー・ビイレッジ」というオートキャンプ場も隣接しており、大自然に囲まれた名栗の自然を愛でつつ、大仏も満喫できる「一大テーマパーク」となっているので、家族連れでも楽しめます! <データ> 寺院 白雲山鳥居観音 高さ 33m 建立 1971年 構造 鉄筋コンクリート造 ●ついに巨大仏トークショーが3/1(日)に開催!  そんな氏や巨大仏・大仏・仏像ファンが集うイベントが3月1日(日)にお台場で開催される。著書製作の裏話、大人の事情で載せられなかった「ヤバい秘仏」など、イベントならではのトークが展開されるそう。 ▼「巨大仏ナイト!~大人気巨大仏ハンター達が集めた全国の巨大仏・秘仏・ヤバ仏すべて見せます!」 3/1(日)17時開場、17:30開演 お台場・東京カルチャーカルチャー 前売り:2100円 当日:2600円 出演:クロスケ(大仏ハンター・『巨大仏巡礼』著者)、半田カメラ(巨大仏像写真家)、悟東あすか(尼僧・漫画家)、島谷達也(サラリーマン大仏ハンター)、前島慶太(「仏像でGO!」プロデューサー) http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_150207204827_1.htm 文/遠藤修哉(本誌)写真/クロスケ(大仏ハンター)
巨大仏巡礼

65体の巨大仏をフルカラーで紹介。TBSアナウンサー・小林悠さんとのスペシャル対談も話題に

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