某有名アイドルと本気で結婚したいという大学生へのアドバイス
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆「某有名アイドルと本気で結婚したい」
浩樹(ペンネーム)大学生・男性・21歳
某有名アイドルのメンバーの一人と本気で結婚がしたいです。そのためには、出会わなければなりませんが、どうすればいいのかわかりません。最初はライブに毎回行ったり、出待ちをしていたのですが、おそらく顔を覚えられるほどではなく、またそんなことをしているうちに留年して端から見たらただのオタクです。
少し距離をおいてみようと思ったのですが、たまにその方を目にすると、よけいに会いたくなります。
外交官や医者、航空自衛隊に憧れたりと、ぶれまくっている私ですが、早いとこ夢や目標を見つけて、それに向かって行動しているうちに、その方と2020年くらいまでには出会えて、ゆくゆくは結婚できたらな、などと思っています。そのためには、テレビ関係の仕事に従事したほうがいいなど、具体的なアドバイスをいただけると嬉しいです。
◆佐藤優の回答
あなたはこのままだと、社会から脱落します。<外交官や医者、航空自衛隊に憧れたり>と記していますが、そういう職業に就きたいならば、それなりの準備が必要です。
医師になるには、医学部を卒業する必要があります。航空自衛官になりたいならば、防衛大学校に入るのがいちばんの近道です。外交官の場合、国家公務員総合職試験か外務省専門職員採用試験の勉強をしなくてはなりません。また、徹底的に英語の勉強をしておく必要があります。
そもそも、医師、外交官、航空自衛官は一括りにできるような職種ではありません。浩樹さんは「なんとなく格好いい仕事につきたい」と思っているだけなのでしょう。しかし、努力をせずに格好いい仕事に就くことはできません。
結婚とは、あなたと別の人格の人と生活を共にしていくことです。アイドルは夢を売る仕事です。「アイドルがファンと結婚することはない」という大前提を理解しておかなければなりません。この結婚は可能性がゼロですので、結婚など考えずに、ただひたすら追いかけるという「アイドル道」を究めることをお勧めします。
私は「おっかけ」をすることはありませんが、永作博美さんのファンです。彼女の本や写真集、CDや彼女が出演した映画のDVDはだいたい持っています。しかし、グッズの収集も仕事に支障を来さない範囲で行っています。
一度、なぜアイドルに入れ込むかについて考えてみることをお勧めします。アイドルに詳しい精神科医で思想家の斎藤環先生(筑波大学医学医療系教授)がこんなことを書いています。
<僕たちは女性を愛するさいに、多かれ少なかれ内面的な「女性の本質」を問題にする。(中略)このとき僕たちは、無自覚に「女性のヒステリー化」を行っている。目の前の女性をいっそうリアルに愛するために、僕たちは彼女の背後に“トラウマ的な核”を必要とするのだ。
その一方で、僕たちが虚構内存在である戦闘美少女をリアルに感じる――つまり「萌える」――とするならば、それは彼女たちの戦闘行為のリアリティが“存在の空虚さ”を代償してくれるから、ではない。
むしろ戦闘行為と“空虚さ”のカップリングこそが、僕たちの儚い欲望の成立要件なのだ。このロジックを敷衍するなら、次のようにも語りうるだろう。虚構内存在としての少女が“荒唐無精であるほどリアリティが増す”ような存在構造を有しているならば、魔法少女であれゾンビ少女であれ、彼女は「戦闘美少女」なのだ、と。>(『猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか』104頁)
浩樹さんが本気で結婚したいと思っているアイドルも<虚構内存在としての少女が“荒唐無精であるほどリアリティが増す”ような存在構造を有している>のだと思います。この本を読んで、自分の心理状態を冷静に認識することが、問題解決の近道と思います。
【今回の教訓】
結婚など考えずに、「アイドル道」を究めよう
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【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『読書の技法』『日本国家の神髄』『人生の極意』など著書多数 (※写真はイメージです)
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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