38歳が「中学生アイドルのバスツアー」に参加したら悲惨だった

38歳が「中学生アイドルのバスツアー」に参加したら悲惨だった ブームに乗って、さまざまな形で企画されているアイドルバスツアー。大好きなアイドルと一緒にバスに乗り、同じ空間をともにできるとあって、コアなファンたちからは人気を集めている。あまり人気のない地下アイドルともなれば、ライバルとなるファンの数も少なく、普段のライブでは見られない姿を拝めるとあって、一部ファンからは垂涎モノのイベントというわけだ。

 そんなアイドルバスツアーに初参加したという新田正和さん(仮名・38歳)は「地獄でした」と話す。そこで、新田さんが参加した秋葉原を本拠地に活動する某地下アイドルのバスツアーの詳細を聞いた。

「朝8時に秋葉原に集合し、ファン20人とアイドル5人、そして事務所関係者の方々でバスに乗り込み、福島県で行われるライブイベントに一緒に行くという企画でした。アイドルと身近で話せると思って参加したんですが……本当に大変でしたね」

 行き先は福島県の某スキー場。片道5時間のアイドルバスツアーでまず行われたのは、アイドルとのビンゴゲーム。続いて、カラオケ大会だったという。

「最初はアイドルの歌が身近で聞けるので、楽しかったのですが、想像してみてください。狭い車中で、自分の頭越しにアイドルと後ろに座るオッサンがMIX(曲に合わせた踊り)する様を。本当に異様な光景でしたが、それはまだ我慢できた。続いて始まったのが、盛り上がってきたオッサンたちのカラオケタイム。オッサンがアイドルの曲を歌い、オッサンが踊る……もう出発してすぐ不安な気持ちになりました」

 カラオケ大会も終わり、ホッとしたのも束の間。今度は落ち着きのないアイドルたちがバス内を動き回る。本来、好きなアイドルが近くに来てくれるのだから、嬉しいはずだ。だが、相手は中学生。バスという密閉空間で繰り広げられる中学生トークから逃げることもできず、辛い思いをするハメになったという。

「中学生との会話って短ければいいんですが、本当にしんどいことがわかりました。こちらから中学生に聞くことなんてないし、向こうが話してくる内容といえば『明日の宿題どうしよう』とか『今度、学校でプール開きがあるんだあ』とか。38歳の僕が何を話せばっていうんですか。そんな話を振られて、広げられるトーク力なんて僕にはない! ずっと頷くだけでしたね。でも、一番辛かったのは、ガチ恋派が突然、アイドルに告白し始めたことです」

 途中、高速道路のPAに休憩でバスが停まったときのことだ。心身ともに疲れきった新田さんは、うたた寝をしていた。すると、アイドルとファンの会話が聞こえてきたという。

「前の席で中学生のアイドルに『オレ、お前のこと本気で好きだから』って20代後半ぐらいの100%童貞のガチ恋派男性が告白しているんですよ。それを巧みに中学生アイドルがかわしているんです。今さら起きることもできず、寝たフリをして聞いていましたが、20代後半が中学生アイドルにマジ告白するという現場を初めて目撃しました」

 5時間かけて到着した福島県の某スキー場に設営されたイベント会場。そこで、通常のライブが開催されたわけだが、到着までに精根尽き果てた新田さんは、もはやライブを楽しむこともできなかった。

38歳が「中学生アイドルのバスツアー」に参加したら悲惨だった「ライブ会場といっても、地元の祭りのステージを30分だけ借りて行うものでした。ファンは東京から来た20人のみ。あとは、祭りに遊びにきた地元の親子とおじいちゃんおばあちゃんばかり。その中で、MIXを踊らなきゃいけないしで……帰りのバスの中は、ファン全員爆睡していましたね」

 このアイドルバスツアーで「自分は本気でアイドルを好きではないのかもしれない」という想いにかられたという新田さん。中途半端な気持ちでアイドルバスツアーに参加してはいけないということか。 <取材・文/日刊SPA!編集部>

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