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年末年始の服屋のセールで「買ってはいけない」ワースト3。福袋は売れ残りの詰合せ!?

メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第55回目をよろしくお願いします。  12月も10日をすぎたあたりから気になるのが「セール」。30%オフや40%オフで購入できるセール期間は誰にとっても嬉しいもの。セールまで財布や体力を温存しておいた方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで今回はセールの賢い使い方と「やってはいけないワースト3」をレクチャーしたいと思います。 ▼実は12月中旬からセール価格で買える!  セールは通常新年1月2日からスタートします。が、実は「プレセール」「VIPセール」と銘打った顧客限定の割引をほとんどの店舗が12月の中旬頃から開始しています。1月2日は一斉に客が押し寄せるため、あっとう間に商品が欠品し、2日の午後には「残飯状態」になることが少なくありません。しかし、この顧客限定のセールであれば、まだまだ在庫が潤沢に揃っているため、選びたい放題です。常日頃から買っていただいている「顧客様特権」ですね。  さてこの「顧客」にどうなればいいかというと、1度でも買い物をして「ダイレクトメール」をゲットする必要があります。実はこれが意外と簡単。靴下など1000円以下でもいいので、とにかく商品を購入すれば顧客登録してくれる店がほとんどなのです。この時期に買い物をして、登録すればプレセールに招待してもらえます。  また買い物しなくとも、店頭で「プレセールってやってますか?」と単刀直入に聞けば、その場で登録して会員価格で買わせてくれるお店も少なくありません。今はどのブランド、どのショップも「アパレル不況」です。ファストファッションにパイを奪われ、「セール価格でもいいから少しでも多くの在庫を捌きたい」と考えているところが普通なのです。ですから、「やってますか?」と一言聞くだけで対応してくれるところもあります。恥ずかしがらずにぜひ店員さんに声をかけてみましょう。それで30%オフの商品が買えるのであれば、やらない手はありません。1月2日まで待つ必要もないのです。 ▼「セールでやってはいけない」ワースト3 「春に使えるから」を買ってはいけない!  さてここからは、セールで絶対にやってはいけない買い方です。  まず、一つが、冬のセールで「これ薄いけど春に使えそうだから買っておこう!」という買い方です。これ、経験上、絶対NGです。「次のシーズンに着よう」と思ってタンスのなかに温存し、いざシーズン到来で蓋を開けてみたら「なんか違ったな……」というパターンが実に多い!  これは端的に「流行」のせい。ファッションには流行があります。次のシーズンに街にあふれるものが予測できるならまだいいのですが、基本的にそれはなかなか難しい。そうなると街を歩いて「あっ、あれかっこいい!」と思うスタイルや、雑誌を見て「これ欲しいなあ」と思うアイテムはそのシーズンにならないとなかなかわかりにくいもの。冬に買ったものはあくまで「冬までの情報でかっこいいと思ったもの」にすぎず、いざ春になると流行も変わり、気分すらも変わってしまうことがあるのです。  毎年毎年洋服を買い慣れている方ならまだしも、……「セールだから次シーズンの服まで揃えてしまえ!」と買いあさるのはご法度。よほどの目利きでない限り着ない服の山を生む原因となります。  そもそも冬のセールに並べられた「春にも使える(であろう)薄着」のアイテムは、前回の春か、もしくは秋の初めに発売されたものです。つまり、かなりの期間が経っても「売れ残った」アイテムですから、ほぼ地雷です。試着し、吟味し、かつ「気に入った!」のでなければ、買うできではありません。セールこそ妥協は禁物なのです。  セールとなれば、テンションも上がり、あれもこれもとついつい買ってしまいがちですが、お金を使うことに変わりはありません。セール服を2枚買うよりも、気に入ってヘビーユースできる新作1枚のほうが結果、得をするものです。 ▼「セールでやってはいけない」ワースト2 アウターを1月3日以降に買ってはいけない!  基本的に冬のセールはアウター類に人気が集中します。上述した12月中の「プレセール」で人気の高いアウターや人気の高い「黒色」「Mサイズ」などは概ね完売してしまいます。店側は1月2日の初売り用に在庫を確保していることも多いので、2日はまだ良質な在庫があるのですが、どの店でも多くは即日でなくなってしまいます。3日以降、アウター類はすでに「残飯状態」だと思ってください。
狙っているアウターがあるならお早めに!

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 冬のセールでアウターを買うなら12月中、遅くとも1月2日セール初日までです。それ以降に残っているものは「売れ残り在庫」。着まわしにくかったり、デザインが派手すぎたり、サイズが大きすぎたり小さすぎたり、難あるものだと心得ましょう。
今季は安くていいチェスターコートが出揃っています

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 人気の集中するアウターとにかくは早い時期に限ること。1月3日以降はアウターを諦めてインナーや小物などに目を向けたほうが賢い買い物ができます。 ▼「セールでやってはいけない」ワースト1 福袋を買ってはいけない!  長年アパレル業界で生きてきて、「福袋」でいいものを見たことがありません。「福袋」はなぜ商品が見えないようになっているのでしょうか? それは地雷アイテムや売れ残りを詰め込んでいるからです。以上。  それでもなお、「福袋にいい品を入れておかないとガッカリしてリピートしなくなるから、ちゃんとした良品を混ぜておくんじゃない?」と淡い期待をする方。残念ながらそのケースもほぼありません。  リピートしたくなるような良品がたくさん入っているのであれば、中身は見せますよね? それをしないということは「見たら買う気がなくなる」ことの裏返しです。  ちなみに近年ではレディースブランドを中心に「見える福袋」なんてものを販売しています。販売するアイテムに自信があるのならこういった取り組みを行います。自信がないから隠している、と考えてください。  そもそも、「福袋」は基本的に「普段買わない人が買うもの」なのです。普段そのお店でよく買い物をする人はもう秋冬物をいくつか手に入れていて「カブったら嫌だから」と福袋は避けます。  また逆に「福袋」を買う人は「普段は買えない憧れのブランドだから、この機会に何点も入ったお得なセットである福袋を買おう!」という心理が働きます。つまり、どのお店に聞いても同じ回答をすると思いますが、「福袋を買う人は普段お店で買わない(買えない)客層」ばかりなんです。  普段買わない(買えない)人にサービスしてもお店側としてはメリットが薄い。福袋とは「『売れ残った余りもの』を『普段買わない人に買わせる』」商売なのです。ひどい場合になると、数年前の売れ残りで倉庫に山積みしてあったものを詰める場合もあります。お得に買い物をしたいのならば、福袋こそ絶対に買ってはいけないのです。  いかがでしたでしょうか。これから始まるセールに向けてぜひ、ごれらを参考にしてみてください! <文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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