ユニクロで「高コスパ&買うべき冬物」ベスト5
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第54回目をよろしくお願いします。
先週「ユニクロで『買ってはいけない秋物・冬物』ワースト5」をお届けしたばかりですが、もちろんユニクロには「買うべきマストバイアイテム」があります。ランキング形式で5アイテム選出したので、この冬のショッピングの参考にしてみてください。
▼マストバイ第5位 対中年向けの“スタイリッシュデニム”
●ルーズフィットテーパードジーンズ 3990円+税
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1001768
ユニクロといえば「安くてそこそこ良品のデニム」といったイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、なかには数々の名作があり、こちらは「対中年」を考えた場合にはまさに名作といっていい仕上がりです。股上が深くウエストまわりがゆったりとしたモデル。お腹が出ている中年男性にとっても優しい形です。しかし、決して「リラックスウェア」といった印象にはならず、着用するとスッキリと細めに着ることができます。
その秘密は裾幅の細さ。視線が集中する先端部分である「裾」はパンツのシルエットを決める肝の部分です。「ブーツカット」「ストレート」「スキニー」――実はこれらはすべて膝から下の形で分類が決まります。ウエストがゆるかろうが細かろうが、実は膝から下、とくに「裾幅」で印象は決定されるのです。
このパンツはそんな印象を左右する「裾」だけをぐーーっと細くしてあります。ウエストまわりやモモまわりこそゆったり楽チンですが裾だけ細いため、「はきやすいけど野暮ったくないキレイな形」に見えるのです。
「太って細いパンツなんてはけない」という人こそぜひ試してほしいアイテム。マジでビックリしますよ! これぞ30代以上の大人が選ぶべきデニムです。
▼マストバイ第4位 “不当に安い”ニットウェア
●エクストラファインメリノクルーネックセーター 3490円+税
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1001984
アパレル業界関係者にタグを隠して「値段を当ててみろ」と言えばほぼ100%まちがえます。きっと私も「1万円ジャストくらいかな?」と言ってしまうでしょう。そのくらい異常なコストパフォーマンスを誇るのがこちら。
業界関係者なら理解できますが「エキストラファインメリノウール」が3000円台で販売できるわけがないんです。メリノ種のウールのなかでも特別希少価値の高い「エキストラファイン」。並のブランドなら粗悪なニットでも3000円じゃ発売できません。ニットができるまでの過程を想像してみてください。羊から毛を刈り、毛を紡績し、製品として作る工場があり、デザインする人、販売するスタッフ、それらすべてに給料を払わねばなりません。意外かもしれませんが洋服は生産の自動化が進んでいない「超アナログ」な業界なんです。人の手がかかるぶん、お金も大変かかる。3000円台でニットをつくるなんて並の生産体制しか持っていないブランドには不可能。狂気の沙汰です。ましてやそれを「エキストラファインメリノウール」でつくってしまうなんて……。
「高い洋服こそ素晴らしい」なんて声高に言う人もいますが、価格はそのブランドの生産体制で大きく上下します。このニットをほかのブランドがつくったら1万円はするでしょう。すべてのブランドが同じ企業努力をしているわけではありませんし、巨大企業であるユニクロのスケールメリットがあるわけではありません。「高い洋服が素晴らしい」なんてのは嘘っぱちの幻想です。反対に「異常に安い」「不当に安い洋服」がユニクロには存在するのです。
▼マストバイ第3位 秋用のジャケットを延命できる“名脇役”
●ウルトラライトダウンベスト 4990円+税
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1001985
「せっかく買った秋用のジャケットやブルゾンが寒くなって着れなくなってきた」という経験は誰にもあるはずです。「おしゃれは我慢」とはよく言ったものですが、防寒性の低い秋用ジャケットを真冬まで我慢して着るのは苦行に近い。
そんな悩みを改善してくれるのがこちらのダウンベスト。薄めでなんと「インナー」に着込むことができるのです。薄いとはいっても防寒性はバッチリ。秋用ジャケットにこれを入れるだけで随分防寒性が向上します。そこにマフラーでも加えてしまえば都内であればなんとか冬は越せるでしょう。
秋用ジャケットが冬に使えるようになれば、冬服のバリエーションが広がります。毎日同じコートばかりを着続けてしまいがちな冬シーズンの強い味方に。そんな活用性の高さから第3位としました。もちろん着用画像のようにコートに合わせるのもOK。真冬でも耐えられます。
▼マストバイ第2位 アウターとしてもインナーとしても使える“便利パーカー”
●防風ストレッチスウェットパーカー 3990円+税
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1001771
地味なアイテムなので見逃している人も多いでしょう。こちらの防風パーカーのポイントは硬めの風合い。生地が硬いと何がいいのかといえば、「フードが立ち上がる」ことです。通常スウェット素材だとフードは「へにゃっ」と寝てしまいますが、この防風素材は芯があるように硬いためフードが寝ずに首元がキープされます。そうすると顔まわりに布がある状態になるので、対比効果で顔が小さく見えるというわけ。
「小顔」侮るべからず。「八頭身」という言葉があるとおり、顔の大きさは体のバランスの基準となる箇所です。顔が小さく見えると簡単にモデルライクな体型に見えて、何でも似合っているように感じてしまうのです。
私はよくこの防風パーカーをロングコートのインナーに入れて小顔効果を出しています。「風を止める」素材だけに防寒性も非常に高く、春や秋にはアウターとしても活用可能。この値段は絶対にありえない素材と形のよさはオススメです。
▼マストバイ第1位 トレンドを取り入れた“高機能アウター”
●シームレスダウンコート 17900円+税
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1001788
ダウンをつくっているメーカーや現場の工場に聞けば「この値段じゃ誰かが泣いている」と言うでしょう。某メーカーに聞いたところ、「5万円ならなんとかできるんじゃないかな」とのことでした。
ダウン特有のモコモコ感を抑えたスタイリッシュなデザイン。そしてなんとダウンの継ぎ目にある「縫い糸」をすべてなくして熱圧着で中綿を固定。縫い糸が見えない分デザインがグッと大人っぽくなっています。またダウンは「使っていくと毛がピョコピョコでてくる」という困った現象があります。あれは縫い糸の小さな穴から出てくることが多いのですが、このシームレスダウンなら縫い糸の穴が存在しないため毛が出てくる心配もありません。
さすがのユニクロ・テクノロジーですが、もっと評価したいのは「ロング丈」です。多くのダウンジャケットはアウトドアライクなショート丈ですが、こちらは「コート風」にロング丈でドレスライクに着こなせます。「ロングダウン」は現在老舗マッキントッシュなどが火付け役となり今季40代以上のオシャレメンズの間でトレンドにもなっています。トレンドを真っ先に取り入れ、かつテクノロジーで機能性も高めた一品。アウターに迷っているならイチオシです。
以上! ここに挙げたものはどれもそこらのブランドではつくれない高コスパなものばかり。これからクリスマスのデートを控えている方などはぜひ参考にしてください。<文/MB>ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)『MBの偏愛ブランド図鑑』 今着るべきブランド60の歴史や特色を、自身が愛用する品とともに徹底紹介 |
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