更新日:2022年06月29日 10:20
スポーツ

ホーガン対オーンドーフが6万1417人動員――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第61回

 ホーガン対オーンドーフの因縁のシングルマッチがハウスショーのメインイベントにラインナップされたのは8月第1週。カナダ・トロントのエキシビション・スタジアムでおこなわれた一戦はなんと6万1470人の大観衆を動員し、それまでのアメリカとカナダのすべての観客動員記録、興行収益記録をいともかんたんに塗り替えてしまった(同8月28日)。  ビンス・マクマホンにとっても、この数字はうれしい誤算であったことはいうまでもない。観客はそろそろホーガンと“最強のチャレンジャー”の闘いというコンセプトを求めはじめ、どうやらオーンドーフはあまりにも強すぎるホーガンから3カウントのフォール勝ちを奪う可能性を感じさせるただひとりのキャストだった。  ホーガンとオーンドーフのWWE世界ヘビー級タイトルマッチは、8月から12月までの約4カ月間で全米23都市、合計42回にわたっておこなわれた。シカゴ、フィラデルフィア、セントルイス、ミネアポリス―セントポール、ピッツバーグ、ロングアイランドといった人気エリアでは“3カ月シリーズ”がおこなわれ、デトロイト、シンシナティ、バッファローの東部エリア、ソルトレークシティー、ロサンゼルスといった西部から西海岸エリアでもこの試合が2万人クラスの大観衆を集めた。  “3カ月シリーズ”とは同一都市での同一カード3連戦のことで、第1戦と第2戦は不完全燃焼の反則裁定やカウントアウト裁定に終わり、第3戦では完全決着戦として金網マッチがラインナップされるというパターンが多かった。
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地方都市の金網マッチ
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