ホーガン対オーンドーフが6万1417人動員――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第61回
テレビ番組収録ではない地方都市のハウスショーでおこなわれる金網マッチは、ライブの観客にとっては“歴史的事件の目撃”――ホーガンがひょっとしたら負けるかもしれない――というひとつの幻想をシェアするための装置になっていた。これはブルーノ・サンマルチノ、ボブ・バックランドの時代からつづくハウスショー興行の伝統的な様式である。
テレビの画面のなかでの完全決着戦はNBC特番“サタデーナイト・メインイベント”で実現し、ホーガンがオーンドーフを下してこの因縁ドラマに終止符を打った(同12月14日=コネティカット州ハートフォードで録画撮り/1987年1月3日オンエア)。
ホーガン対“最強のチャレンジャー”オーンドーフというひじょうにわかりやすいコンセプトは、そのまま“レッスルマニア3”におけるホーガン対アンドレ・ザ・ジャイアントの“世紀の一戦”へとつながっていくのだった。(つづく)
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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斎藤文彦
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