“視聴率”対“PPV契約世帯数”のメカニズム――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第207回(1996年編)
ケーブルTV業界誌がまとめた同日の“ロウ”と“ナイトロ”の合計視聴率は7.3パーセント(累計=再放送分を含む)で、この数字は同時間帯に全米の約475万世帯がふたつのプロレス番組のうちのいずれかを視聴していたというデータを示すものだった。
月曜の夜は1週間のなかでもっとも“在宅率”が高い曜日とされ、毎年9月から翌年1月末のスーパーボウルまでつづくNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)は、シーズン・ゲームの“マンデーナイト・フットボール”がつねに高視聴率をスコアしている。
大手テレビ局とそのグループ企業を親会社に持つWCWにとって、WWEとの闘いはあくまでもテレビ番組の視聴率争いだけを意味していた。
“ロウ”はWWEの自社プロデュース番組で、WCWの“ナイトロ”は姉妹会社TNTが番組制作費を全額負担する“委託事業”。このシステムのちがいは大きかった。
WWEの1月のPPVは1.21“ロイヤルランブル”。WCWは“無料”の特番1.23“クラッシュ・オブ・チャンピオンズ”を“ロイヤルランブル”にぶつけてきた。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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斎藤文彦
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